島根県は、東西200kmにわたって日本海に面する神話の国です。人口は68万人と隣接する鳥取県に次いで全国で2番目に少なく、面積はゴルフ場の多い栃木県や群馬県と同じくらいです。山間部では積雪の影響があるのでコースは日本海側に多くあり、昨今のゴルフ人口の減少も少なからず関係しているのでしょうが、2018年10月現在、島根県は全国で一番ゴルフ場の少ない県となっています。1961年(昭和36年)開場の『松カン』こと松江カントリーも閉鎖となり現在は8ヶ所のゴルフ場が営業しています。その中から開場年が古い順番に、地元で親しまれている島根県ならではの名門コースを紹介したいと思います。

島根県にある名門といわれるゴルフ場。ゴルフコース

ここから始まるゴルフ道「出雲ゴルフ倶楽部」

島根県出雲市大津町、山陽自動車道・宍道インターチェンジ(IC)より約10kmほどのアクセスにある出雲ゴルフ倶楽部は、地元では「かわ」と呼ばれる河川敷のショートコースです。出雲平野から宍道湖へそそぐ斐伊(ひい)川は氾濫が多く、1300年前の歴史書‘古事記’の中にも出てくるヤマタノオロチの伝説のもとになったと言われていますが、その河川敷に1965年、土井正夫氏・佐藤武夫氏両名による設計で9ホール、パー34のパブリックコースとして開場しました。距離が短くフラットで乗用カートと立ち乗りカートは雨天時でもコース乗り入れが可能です。9ホールを2回まわっての1ラウンドが平日は4,000円前後、土日祝日でも5,000円前後とリーズナブルで、手引きカートならさらに格安なのも魅力です。初心者のコースデビューや上級者の練習ラウンドに人気があり、開場50年以上の老舗コースなので、ここでデビューをしてゴルフのいろはを学んだプレーヤーも多いのでしょう。2番(11番)ホールがハーフで唯一つの名物ロングホールです。クラブハウス内に食堂はありません。精算は現金のみです。このゴルフ場はWebサイトがないのでネット予約は楽天GORAをご利用下さい。
プレー料金は、2サム保証が付いた手引きカートによる18ホールのスループレーが平日だと総額3,900円、土日祝日の休日料金は総額4,700円ほどです。2サム保証が付いた乗用カートによる18ホールスループレーは、平日だと総額4,100円、土日祝日は総額5,200円です。ハーフプレーはさらにお安くラウンドを楽しむことができます。

出雲ゴルフ倶楽部の詳細はこちら

宍道湖を眺め名物を食し有名な玉造温泉もすぐそば「玉造温泉カントリークラブ」

島根県松江市宍道町、山陰自動車道・松江玉造インターチェンジ(IC)より12kmほどのアクセスにある玉造温泉カントリークラブ。1969年開場の老舗のメンバーシップコースで、通称「玉カン」と呼ばれており、適度なアップダウンが続くフェアウェイと、コースをセパレートする大きな赤松などが歴史を感じさせる丘陵コースです。18ホール、パー72のOUTコースは、ヤマトシジミで有名な宍道湖を望み、名物ショートホールの11番があるINコースは変化に富んだ自然豊かなコースです。特に13番のロングホールはクラブ自慢の打ちおろしで眺めが良く、フェアウェイの右にある松と山桃の木までが250ヤード。そこまでティーショットが飛んだらロングヒッターの証です。初めてのプレイヤーには印象深いコースになるでしょう。生涯32コースを造った名匠間野貞吉氏は昭和初期に日本初のゴルフ場設計による博士号を取得した篤学者でどのコースも高い評価を受けています。会員制の形式が取られた名門コースですが、ビジターでも無料のメール会員に登録すると、予約もできて割引情報が送られてきます。「出雲縁結び空港」から車で20分、玉造温泉からは15分ほどです。高速道路を利用する際は片道料金をクラブが負担してくれるのでゴルフ場のウェブサイトをまず確認してみて下さい。
料金プランは、平日の乗用カートによるセルフプレーで平日なら総額7,000円ほど、土日祝日は総額11,000円ほど。平日は昼食付きプランと付かないプランがあるので予約時にご確認ください。コンペパックも用意されているので、大人数でゴルフを楽しみたいというニーズにも応えてくれます。

玉造温泉カントリークラブの詳細はこちら

話題の静脈認証チェックインはビジターでもOK!「金城カントリークラブ」

島根県西部の浜田市金城、浜田自動車道・旭インターチェンジ(IC)より約7kmほどの好アクセスの金城カントリークラブは、株式会社竹中土木の施工設計による27ホールの3コースで1972年に開場しました。近年メンバーの高齢化や、ゴルフ人口の減少に伴い土日以外の利用者が少なくなったため、2013年に今福コース9ホールを閉鎖。太陽光発電事業いわゆるメガソーラー用地として賃貸することになり、現在は18ホール/パー72の美又・久佐の2コースの営業となっています。中国アマチュアゴルフ選手権が2度開催されたチャンピオンコースで距離は充分あります。ラウンドスタイルはキャディー付きプレーかセルフの選択制で電磁誘導式の乗用カートで長い距離も楽に回れます。名物ホールはINコース久佐の14番、通称『うなぎの寝床』と呼ばれ左右に山がせまるロングホールです。ここもメンバーシップの名門ゴルフ場ですが、ビジターでも『静脈認証』の事前登録をすると混雑時のチェックインはスピーディーですし、クラブのWebサイトから予約が可能で気軽にプレーができます。さらにメンバー同伴や提携旅館に宿泊すると優待料金になるサービスがあります。GORAやGDOなどでも平日限定ですが2サム保証プランや昼食が付いたプレープランの予約受け付けがされています。

金城カントリークラブの詳細はこちら

プレー後は宍道湖を見下ろす浴室からの夕焼けが絶景の「島根ゴルフ倶楽部」

湖北の島根県出雲市美野町、山陰自動車道・宍道インターチェンジ(IC)より約13kmほどのアクセスにある島根ゴルフ倶楽部は、湖をすぐ眼下に見下ろすとても景色の良い丘陵コースです。設計は阿部木材工業2代目社長で馬主としても知られた阿部雅一郎氏によるもので、会社の複合化を図り、多角経営に乗り出し作ったグループ企業の一つが同倶楽部で、自らがコースの設計をしています。1977年開業時の阿部キャピタルグループは、その後賃貸借契約によりPGMグループに運営を委託し、2018年現在は経営母体も変わり、株式会社ゴルフレボリューションが運営しています。それに伴いハウスの一部リニューアルや、乗用カートの入れ替えが行われ新体制になりました。パー72の18ホールはOB杭が目立ち視覚によるプレッシャーがかかります。INコース18番は左右が狭いロングホールですが、グリーンから湖が見える名物ホールとなっています。キャディー付きとセルフプレーの選択制で、休場日の火曜日は完全セルフデーとなり、ビジターでもリーズナブルにラウンドできます。宍道湖からの風もハザードになるのでその時々でスリルあふれるラウンドをお楽しみください。
平日の料金プランは、総額7,000円ほど、土日祝日の休日は総額12,000円ほどです。平日のプランにはレディースデーなど2サム保証割増なしや、休場日営業のALLセルフスタイルでのプランなど、様々な割引が効いた料金プランがあるので、目的にあったプランを選ぶことができます。また、コンペパックの用意もあるので大勢でのゴルフも可能です。

島根ゴルフ倶楽部の詳細はこちら

伝説や神話からコース名がつけられた「いづも大社カントリークラブ」

1979年開場のいづも大社カントリークラブは、島根県出雲市湖陵町大池、国道9号線・出雲市より約11kmほどのアクセスにあり、同市内にある国宝出雲大社(いづもおおやしろ)までは車で25分ほどです。江戸時代に造られた、ため池の蛇池と蓮池に沿ってパー72/18ホールがあり、OUTコースの『美久我』とINコースの『国引』は比較的フラットな林間コースです。開場時は日本海と出雲平野を見下ろす丘陵コースの『華蔵』9ホールもありましたが、コースを所有するオリックスゴルフマネジメント株式会社がメガソーラー発電事業に着手、2015年に閉鎖されました。設計は出島三郎氏とオークエンジニア社で、ラウンドは乗用カートによるキャディー付きかセルフプレーの選択制になっています。距離は十分あり、フェアウェイも広く、最新のGPSナビ付カートでセルフでも安心してラウンドが楽しめます。メンバーシップ方式が敷かれた名門コースですがビジターでもクラブのWebサイトに無料登録できるので、配信されるお得な情報で予約ができます。INコース『国引』の9番ミドルホールは蛇池の入江越えできれいな吊り橋が架かる名物ホールです。とてもよくメンテナンスされたコースが人気です。
乗用カートによるセルフプレーが基本となっていて、平日は総額8,000円ほど、土日祝日の休日は総額12,000円ほどです。金曜日限定で平日料金として昼食付きのセルフプレープランが予約受け付けされています。

※【いづも】は旧仮名遣い。固有名詞を除き、現在の新仮名遣いでは【いずも】と表記します。

いづも大社カントリークラブの詳細はこちら

日本海を遠望するチャンピオンコースの「浜田ゴルフリンクス」

島根県浜田市上府町、山陰自動車道・浜田東インターチェンジ(IC)より2kmほどの好アクセスにある浜田ゴルフリンクスは1997年の開場で、株式会社熊谷組による施工設計となっています。7,000ヤードを超える山陰地方屈指のチャンピオンコースとなる18ホールは、比較的フラットな丘陵コースで、天候にもよりますが、カートの乗り入れができるのが好評です。既出のいづも大社カントリークラブと同じオリックスゴルフマネジメント株式会社の運営する名門コースで、ビジターでもWebユーザー登録をすることで様々な情報によりお得にプレーができます。全組乗用カートによるセルフプレースタイルで、冬季のクローズはありませんが冬の海風はまさに『リンクス』となることや、鏡の高速グリーンと雑誌でも紹介されたこともあり、攻略要素が増えることで挑戦意欲が高まります。眺めの良いレストランでは、月曜日・火曜日のみ開催のバイキング料理がプレイヤー以外の地元客にも大人気です。チェックイン時に当日または前日の高速道路の領収書、ETCカードを提示すると片道1,000円より、往復2,700円を上限にプレーフィーから割引くハイウェイ割引がうれしいサービスです。名物16番ミドルホールのグリーンからの眺めは絶景の一言に尽きます。
基本的なプレー料金は、平日総額8,000円ほど、土日祝日の休日は総額12,000円ほどです。そこから早期予約割引やETC割などの様々な割引プランが用意されています。ほとんどのプランに2サム保証は付けることが可能で、昼食は付いているプランと付いていないプランがあるので、予約時にご確認ください。

浜田ゴルフリンクスの詳細はこちら

まとめ

島根県の名門ゴルフ場の紹介でしたが、気になるコースはありましたか?周辺には温泉も多く、提携する宿とのセットで割引サービスなどがあり、メンバーズシップのコースでもビジターを暖かく受け入れる体制が整っています。高速道路料金の一部負担をして遠方からのプレイヤーの獲得にも力を入れるゴルフ場も多いので、すべてのコースで2サムも可能ですし、気の合う仲間との泊りがけでのゴルフ合宿もオススメです。開場年が1980年以前の老舗コースが多いのですが、残念ながらプロのトーナメント開催の実績がなく、どのコースも知名度は高くありません。しかしながら、メンテナンスの行き届いたビギナーから上級者まで楽しめる素晴らしいコースばかりです。空路では、出雲市・浜田市など県の西側は「出雲縁結び空港」が近く、松江市などの東側は隣県の鳥取県境港市の「米子鬼太郎空港」が近くて便利です。

合わせて読みたい・島根県近郊でオススメのゴルフ場

Thumbnail 35f66566 9d6e 493e ae50 b3778104129b

この記事をお届けした
ゴルフハック[GolfHack] の最新情報を
してチェックしよう!