
何の趣味でも同じことですが、始めたばかりの頃は馴染みのない専門用語を難しいと感じるものです。ゴルフにおいてもコースに出るだけで「アンジュレーション?」「ドッグレッグ?」など、聞いたことがないような言葉が次々と飛び出します。だだ、こういった専門用語は何度か聞けばすぐに覚えてしまい、後から考えると大したことはありません。本記事ではゴルフ初心者の方向けにエリアや分類、戦略上のポイントなど、ゴルフコースに関する基礎知識をまとめています。ぜひ、ラウンド前の予習にご活用ください。
規定打数とホール構成

多くのゴルフコースはOUTコース9ホール、INコース9ホールの計18ホールで構成されています。それぞれのホールには規定打数(パー)が決まっており、基本的に3〜5打に設定されています。
・パー3(ショートホール)…規定打数が3打、全長100〜200ヤード程度
・パー4(ミドルホール) …規定打数が4打、全長300〜400ヤード程度
・パー5(ロングホール) …規定打数が5打、全長450〜550ヤード程度
ホール構成はゴルフ場によって異なりますが、ショートが4ホール、ミドルが10ホール、ロングが4ホールの18ホールパー72の構成が最も一般的です。また、コース距離も上記に記載しているヤードと異なる場合があります。
各ホール内は5つのエリアに分けられる

ゴルフコースのプレーエリアは、ルール上「ティーイングエリア」「ジェネラルエリア」「ペナルティーエリア」「バンカー」「パッティンググリーン」の5つに分けられています。それぞれの特徴を簡単にご説明します。
ティーイングエリア
ティーイングエリアとは、各ホールでティーショットを打つエリアです。2つのティーマーカーを結んだ直線から後方に2クラブレングスの範囲と定められています。ルール上の正式名称は「ティーイングエリア」ですが、「ティーグラウンド」と呼ぶ人のほうが多いでしょう。
複数のティーイングエリア
各ゴルフ場には、技量に合わせてラウンドを楽しめるよう、基本的に複数のティーイングエリアが用意されています。距離が長い順にバックティー、レギュラーティー、フロントティー、レディースティーと呼ばれます。その他、チャンピオンティーやフルバックティー、シニアティーと呼ばれるティーも存在しています。また、ブラックやブルー、ホワイト、レッド、ゴールドなど、ティーを色で呼ぶゴルフ場もあります。ティーを色で呼ぶゴルフ場に行った際には、レギュラーティーが何色なのかを確認してみてください。
そして、アベレージゴルファーが主に使用するレギュラーティーは、全18ホールの全長が5,800〜6,300ヤード程度に設定されていることが多くなっています。目安となりますが、総距離が6,300ヤード以上の場合は距離が長いコース、総距離が5,800ヤード以下の場合は距離が短いコースと覚えておくと良いでしょう。
ジェネラルエリア
ジェネラルエリアとは、プレーしているホール全体から、ティーイングエリア、ペナルティーエリア、バンカー、パッティンググリーンを除いた全域のことを指します。フェアウェイ、ラフ、グラスバンカーなど各ホールの大部分を占めています。2018年までは「スルー・ザ・グリーン」と呼ばれていましたが、2019年にルールが改正され「ジェネラルエリア」という名称に変更されました。
ペナルティーエリア
ペナルティーエリアとは池やクリークなどの水域、崖や深い林などゴルフ場や競技委員会が特別なルールでの救済を認めたエリアとなっています。2018年までは「ウォーターハザード」と呼ばれており、その範囲は水域に限定されていました。2019年から適用されている新規則では、水域以外の場所の追加が認められ「ペナルティーエリア」という名称に変更されています。
バンカー
バンカーとは、コース内の障害として設けられた砂地のことです。打つ前にクラブをソールする(地面につける)ことが許されないなど、他のエリアとはルールが異なります。
パッティンググリーン
パッティンググリーンとは、パッティングをするために芝が短く刈り取られた区域を指します。繊細なプレーが求められるエリアですので、ラウンド中は後続のプレイヤーに配慮して芝の保護に努めることが重要です。ボールマークやスパイク跡は自分がつけたものでなくても、キレイに直すようにしましょう。
ゴルフコースのタイプ・分類

ゴルフコースは地形や運営スタイルなどによって、いくつかのタイプに分けることができます。ゴルフコースのタイプを知っておくと、自分の好みのコースを選定する際にも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
地形による分類①丘陵コース
丘陵コースとは、丘陵地に展開されたゴルフコースです。適度なアップダウンやアンジュレーションがあり、戦略的にバランスの取れた地形が特徴となっています。日本のゴルフコースの多くが丘陵地にレイアウトされており、最もオーソドックスなコースタイプといえます。
地形による分類②山岳コース
山岳コースとは、山のアップダウンを利用して展開されたコースです。地形の起伏が激しく、トリッキーなプレーを楽しむことができます。山岳コースは用地の性質上、フェアウェイの幅が狭いという傾向もあり、正確なショットが求められる場面が多くなります。ショット精度やテクニックを磨きたいゴルファーにオススメのコースタイプとなっています。
地形による分類③林間コース
林間コースとは、林の間を縫って造られたコースです。各ホールの両サイドが樹木によってセパレートされていますので、ルート取りが大変重要となります。比較的アップダウンが小さなコースが多く、老若男女を問わず楽しめるという魅力もあります。
地形による分類④河川敷コース
河川敷コースとは、川沿いに造成されたコースです。近くを流れる河川が戦略性を高めており、スリルのあるラウンドを楽しむことができます。練習ラウンドを主な目的としている所もあり、リーズナブルな料金で楽しめるコースも多くなっています。
地形による分類⑤リンクス(シーサイド)コース
リンクスコースとは、海岸近くの砂丘地帯に展開されたコースを指します(シーサイドコースとも呼ばれています)。近代ゴルフの礎を築いたスコットランドに多いコースタイプとなっており、現地ではゴルフコース自体のことを「リンクス」と呼ぶそうです。リンクスコースは日本国内にはそれほど多くありませんが、絶好のオーシャンビューや海外のコースのような雰囲気を味わえるとあり、人気が高いコースタイプです。
運営スタイルによる分類①メンバーシップコース
メンバーシップコースとは、会員制のゴルフ場のことを指します。歴史の深い名門コースなどが採用している制度となっており、会員優先のスタンスで運営されています。ビジターの方がラウンドの機会を得るためには、会員の紹介または同伴が必要になることが多く、プレー料金も少し高めです。しかし、敷居が高いからこそ憧れを持つゴルファーも多く、羨望の的となっているコースも多々あります。
運営スタイルによる分類②パブリックコース
パブリックコースとは会員、ビジターに関係なく、どなたでも利用できるゴルフコースのことです。リーズナブルな料金で利用でき、ビジターの方への間口も開かれていますので、初心者からベテランまで多くのゴルファーから親しまれています。
また、ゴルフコースは地形や運営スタイル以外の特徴によっても様々な呼ばれ方をします。プロトーナメントの会場となった実績のあるコースは「トーナメントコース」、総距離が長くハザードも厳しく配置してある難度の高いコースは「チャンピオンコース」などと呼ばれます。ただし、どちらにも明確な定義はありませんので、イメージとして認識しておく程度でちょうど良いでしょう。
コースの設計と戦略性

ゴルフコースの戦略性を高めるために設計時には多くの工夫が凝らされています。ここではそのいくつかをご紹介します。
打ち上げ、打ち下ろし
打ち上げとは、ショット地点より球の落下地点の方が高い位置にあるシチュエーションのことです。逆に、ショット地点が高台にある場合は打ち下ろしと呼ばれます。打ち上げの際は通常より長い距離を打つ必要があり、距離感を合わせるのが難しくなります。打ち下ろしの場合は見晴らしが良く豪快なショットで攻めることができるのですが、ボールの滞空時間が長くなるので風の影響も考慮しなければならないといった難しさがあります。
ドッグレッグ
ドッグレッグとは、ゴルフコースが左右どちらかに曲がっており、ティーからグリーンまでが一直線ではないレイアウトのことを指します。ホールの形状が犬の後ろ足のように曲がっていることから「ドッグレッグ」と呼ばれています。ドッグレッグのホールはショットの方向性や距離感がシビアになりますので、自分の技量や飛距離に合った戦略を組み立てる必要があり、知的なプレーが要求されます。
ハザード
ハザードとはプレーの障害となることを目的に配置されたものを指し、池やクリーク、バンカー、グラスバンカーなどが該当します。まずは、入らないようなルートを検討すること、入れてしまった場合は気持ちを切り替えて、リスクの小さなリカバリーを心がけましょう。
アンジュレーション
アンジュレーションとは、フェアウェイやグリーンに施された起伏のことを指します。フェアウェイの起伏が強いと傾斜地からのショットが増えるので、コントロールされた打球を打つのが難しくなります。グリーンのアンジュレーションがきついとパッティングの難度が増します。アンジュレーションの強さはコースの難度と直結すると思っておいて良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ゴルフの専門用語が意外と難しくないことがお分かりいただけたかと思います。基礎だけ頭に入れておけば、ラウンドを重ねるうちに細かい部分も覚えやすくなります。ラウンド中に本記事の内容を思い出して、先輩ゴルファーとの会話に花を咲かせてくださいね。
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