西日本を中心に多くの名コースをデザインした設計家・上田治氏は、その土地の自然を活かした豪快な作風で知られ、多くのゴルフファンの心を掴んでいます。本記事では九州地方にある上田治氏設計のゴルフ場をまとめています。ぜひ、次回ラウンドするゴルフ場選定にお役立てください。

福岡県にある上田治が設計したゴルフ場

福岡県にある「小郡カンツリー俱楽部」

福岡県小郡市にある小郡カンツリー俱楽部は、上田治氏、阿部恒雄氏が設計を手掛け、1964年に開場しました。老松や杉、桧など豊富な樹木の間を縫うように東コース、西コース、南コースの3コース27ホールが展開されています。丘陵地にレイアウトされているもの、全体的にフラットでどなたでもラウンドしやすいよう考慮されています。大きな3つの池が美しい造形と高い戦略性の源となり、各コースで存在感を放っています。
東コースはフェアウェイが広く、豪華なショットが楽しめる9ホールです。9番が俱楽部の名物ホールとなっており、大きな池を越えていく美しいパー3です。グリーンは受けているので大きめのクラブを選択すると良いでしょう。西コースはワイドなフェアウェイと大きなグリーンが特徴の開放感のある9ホールです。ドッグレッグも少なく、オーソドックスなホール構成となっていますので、初見でも攻めやすいでしょう。南コースは距離があり、他の2コースと比較して難度が高めです。特にミドルホールが長く、ロングアイアンの調子が悪いと、スコアをまとめるのが難しくなります。

福岡県にある「古賀ゴルフ・クラブ」

福岡県古賀市にある古賀ゴルフ・クラブは、1953年に開場した歴史ある名門ゴルフ場です。厳しい会員制が敷かれており、県内を代表するメンバーシップコースとして名を馳せています。
コース設計は名匠・上田治氏。バックティーからの全長6,820ヤード、コースレーティング75.0と九州でも屈指の難度を誇り、「日本プロゴルフ選手権」「日本オープンゴルフ選手権」が開催された実績も有します。2008年の日本オープンの優勝スコアは片山晋呉プロの1アンダー、2位の石川遼プロは3オーバーとなっており、難度の高さを物語ります。
難攻不落の18ホールはパーローテーションや距離のバランスもうまく計算されており、多彩なショットが要求されます。グリーンは小ぶりですが、深さのあるバンカーによって厳しくガードされています。微妙なアンジュレーションも効いており、ラインの読みもシビアです。名物ホールはINコース16番、グリーン左横に通称「ヘルバンカー」があるミドルホールです。距離が短いのでトラブルがなければスコアをまとめやすいチャンスホールでもあります。

福岡県にある「小倉カンツリー俱楽部」

福岡県北九州市にある小倉カンツリー俱楽部は、広々とした敷地に造成されたフラットな丘陵コースです。コース設計は名匠・上田治氏が手掛けており、造形美と豊かな戦略性を兼ね備えます。
全体的にフェアウェイが広くグリーンも大きいので狙いはつけやすいものの、アンジュレーションがきつくパットとアプローチの難度が高くなっています。OUTコースの1番ホールは池越えのパー4。心理的にもプレッシャーのかかるスタートホールです。その後も池や大型のバンカー、ドッグレッグなどによって変化が加えられており、気が抜けません。
INコースはフラットですが、随所に配置された池が美しい景観と豊かな戦略性を育んでいます。特に難しいのが11番と14番。11番は当コースの名物ミドルホールで、両サイドに池がありフェアウェイの幅が絞られています。その造形から「鶴の首」と呼ばれており度胸とショット精度が試される難所です。14番は巨大な池を越えていくショートホールとなっています。こちらもビジュアル的に相当な重圧がかかるメンタルホールです。

福岡県にある「門司ゴルフ倶楽部」

福岡県北九州市にある門司ゴルフ倶楽部は、1934年に開場した福岡県最古の名門ゴルフコースです。名匠・上田治氏がコース設計を手掛けており、重機を入れずに手作りされた、古き良き味のある18ホールとなっています。
OUTコースは山裾の地形を活かして造成され、フラットに仕上げられています。コース幅は広いのですが、クロスバンカーがショット精度をチェックしており、安易な攻めは許されません。INコースはOUTより距離が短いものの、アップダウンが大きいのでマネジメント力が問われます。グリーン周りはアゴの高いバンカーによってガードされているので、アイアンショットの出来がスコアの明暗を分けます。18番はグリーン手前まで大きな池があるショートホール。メンタルを刺激される手強い名物ホールとなっています。
クラブハウスは戦前の東京ゴルフ俱楽部をはじめとして多くのクラブハウス設計実績をもつ匠・アントニー・レーモンド氏によってデザインされています。質素ながらも趣があり、俱楽部のシンボルとしてメンバーの憩いの場となっています。

福岡県にある「若松ゴルフ俱楽部」

福岡県北九州市にある若松ゴルフ俱楽部は、上田治氏が設計し、1959年に開場しました。若松海岸を望むシーサイドコースとなっており、コースの随所からオーシャンビューを楽しむことができます。
OUTコースはワイドなフェアウェイを有し、OBを気にせず豪快なショットで攻めることができますので、ゴルフ初心者でもラウンドしやすくなっています。各ホールに距離があるのでドライバーショットの良し悪しがスコアの鍵を握ります。INコースはOUTコースより距離は短いものの、コース幅がタイトでドッグレッグのホールもあり、ショットの落とし所が限定されています。グリーンは大きく細かなアンジュレーションが施されているのでパッティングもスリル満点です。
当コースは練習設備も充実しており、全長250ヤードのドライビングレンジ、アプローチ練習場、バンカー練習場、パッティンググリーンが完備されています。

長崎県にある上田治が設計したゴルフ場

長崎県にある「佐世保カントリー倶楽部」

長崎県佐世保市にある佐世保カントリー倶楽部は、名匠・上田治氏が設計を手掛け、1957年に開場した歴史あるゴルフ場です。石盛岳の山頂付近に展開された適度な起伏のある山岳コースとなっています。バックティーからの総距離6,783ヤード、コースレーティング72.6と県内でも屈指の難関コースとして有名です。競技会場としても高い人気を誇ります。
OUTコースは九十九島を一望できる爽快な9ホールとなっています。4番、5番からは佐世保の市街地を眺めることもできます。INコースは杉や桧を中心とした深い緑に囲まれ、落ち着いた佇まいの林間コースとなっています。フェアウェイが広いので豪快なショットを楽しむことができます。名物ホールはOUTコース5番です。佐世保市内と九十九島を一望できる絶景のミドルホールとなっており、ゴルフの醍醐味を味わうことができます。

長崎県にある「長崎国際ゴルフ倶楽部」

長崎県諫早市にある長崎国際ゴルフ倶楽部は、名匠・上田治氏が設計を手掛け、1964年に開場した名門コースです。立派な木々によってセパレートされた18ホールは九州屈指のチャンピオンコースとして多くのゴルファーの挑戦を受けてきました。
全体的にタフな距離設定となっており、グリーンはマウンドや立木、大型のバンカーなどでしっかりとガードされています。池越えやドッグレッグなど変化に富んだホール構成となっており、安易な攻めが許されることはありません。名物ホールはOUTコース8番のパー3。ティーショットは池越えでプレッシャーがかかり、グリーンは3つのバンカーに厳しくガードされています。アンジュレーションも効いており奥からのパットは難度が高いので、当日のピン位置に合わせたピンポイントなショットが要求されます。
当コースは練習設備も充実しており、全長300ヤード30打席のドライビングレンジで豪快な打撃練習ができ、アプローチ・バンカー練習場、パッティンググリーンではショートゲームの感覚をチェックできます。

熊本県にある上田治が設計したゴルフ場

熊本県にある「くまもと中央カントリークラブ」

くまもと中央カントリークラブは、熊本県菊池市に広がる丘陵コースです。日本を代表する名匠・上田治氏が設計を手掛け、1963年に開場した歴史あるゴルフ場です。日本ゴルフツアー機構が極めて戦略性の高いコースを認定する「TOUR CHAMPIONS CLUB」の一角を成し、数々の競技大会が開催されてきた実績を持ちます。また、ゴルフ界のミシュランとも言われる「世界の1000コース」にも選出されており、大変知名度が高い名コースとなっています。
コース全体が高台にあるので見晴らしが良く、大阿蘇や雲仙岳を眺望しながら雄大なラウンドを楽しむことができます。ほとんどのホールのティーグラウンドからピンが見えるフェアな設計となっていますが、楠や桧、杉と言った樹木にセパレートされているので、ショットのブレにはシビアです。OUTコースは全体的に距離がありタフな仕上がりです。特に距離のあるミドルホール8番、9番が難しく、この2ホールをいかにしのぐかが前半のスコアを左右します。INコースは、OUTコースより起伏がありショットの落とし所が重要です。16番ショートはグリーン手前に高い樹木があり、初見のプレイヤーは度肝を抜かれるホールとなっています。

大分県にある上田治が設計したゴルフ場

大分県にある「別府扇山ゴルフ倶楽部」

大分県別府市にある別府扇山ゴルフ倶楽部は、扇山山麓のなだらかなスロープを利用して造成された丘陵コースです。名匠・上田治氏が設計を手掛けており、フェアウェイやグリーン、ハザードなどの造形美と高い戦略性を併せ持ちます。
OUTコースは用地の起伏を活かしたダイナミックな造りが特徴です。名物の2番ホールは別府市街と別府湾を一望できる豪快な打ち下ろしミドルとなっています。INコースは内山渓谷を取り入れ、バンカーやドッグレッグなどによって変化がつけられています。谷川越えが2ホールあり、メンタルが試される難関としてプレイヤーの前に立ちはだかります。
アフターラウンドには別府ならではの天然温泉で疲れを癒すことができます。露天風呂も完備されており、別府市を見下ろす見事な眺めも爽快です。当コースは大分自動車道・別府インターチェンジから約2 kmとなっており、大変アクセスしやすい好立地にあります。多少の季節変動はありますが、平日7,000円前後、土日祝日10,000円前後とリーズナブルなプレー料金も魅力のひとつです。

鹿児島県にある上田治が設計したゴルフ場

鹿児島県にある「出水ゴルフクラブ」

鹿児島県出水市にある出水ゴルフクラブは、海と山に挟まれた出水市街に広がる名門ゴルフ場です。JR出水駅よりタクシーで5分とアクセスも非常に良いので、1963年の開場以来、長きに渡り多くのゴルファーから親しまれています。
名匠・上田治氏がデザインしたコースは全長6,445ヤード、パー72のチャンピオンコース。各ホールは松林によって隔てられており、樹木の風格からもクラブの歴史を感じられます。戦前は出水航空隊の飛行場があった場所で平坦ではあるものの、池やバンカー、立木などのハザードが厳しく配置されており高難度です。高麗グリーンはアンジュレーションがきつく、パッティングやアプローチにも緻密な戦略が要求されます。名物ホールはINコース17番のパー3。距離は短いのですが、グリーン右手前に池、左サイドと奥にバンカーがあり精度の高いショットが必要です。

まとめ

九州地方で上田治氏が設計を手掛けた10のゴルフ場をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?豊かな大地を活かしたコースで戦略的なラウンドを楽しめるコースばかりとなっていますので、ぜひ足を運んでみてください。

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