（社）日光カンツリー倶楽部

栃木県日光市にある日光カンツリー倶楽部は長い歴史を持つ名門ゴルフ場です。名門らしいコース、設備、運営スタイルを中心にポイントをまとめてみました。

日光カンツリー倶楽部は栃木県でも指折りの名門ゴルフ場です。1952年に郷土出身の中央財界重鎮と栃木県知事の会談で一気に話が進み、建設が開始されました。日本で数々の名門ゴルフ場を手がけた巨匠、井上誠一氏が設計し、1955年に開場。河川敷にある日本一のコースとの呼び声も高く、これまで多くのトーナメント開催実績を誇ります。2020年には日本プロゴルフ選手権の舞台となることが決定しており、また新たな歴史が刻まれようとしています。

赤松林にセパレートされたコースからは、男体山の美しい景観を望みます。池は無くバンカーも少ないのですが、自然の樹木や傾斜がハザードとなり高難度に仕上がっています。コース全体で50mもの高低差があるものの、各ホールの勾配が2〜3％程度に抑えられており、平坦であるように錯覚させます。その結果、ピッタリと思って打ったショットが上り傾斜のホールではショート、下り傾斜ではオーバーとなってしまい、徐々にショットの距離感が狂わされていくのです。このことは、会員の間では井上マジックと呼ばれ、親しまれ（恐れられ）ています。

日光カンツリー倶楽部は名門と呼ぶにふさわしく、豪華な設備が整っています。パッティンググリーン3面、250ヤードのドライビングレンジ、アプローチ、バンカー練習場が完備されており、練習設備は申し分ありません。また、2010年に敷地内にロッジが新設され、宿泊もできるようになりました。外観・内装ともにシンプルで高級感のある造りとなっており、ここにも“らしさ”が光ります。窓の外には小川が流れ、1番ホールを望む、静かで美しい景観も魅力です。

これまでの歴史を重んじ、昔ながらの厳格な運営スタイルが続けられています。ラウンドはキャディー付きの歩きが基本となり、乗用カートはありません。プレー機会に関しても敷居が高く、平日は「会員の紹介」、休日は「会員の同伴」なしには、ビジターのラウンドは認められません。ゲストの通常プレー料金は平日20,000円ほど、休日30,000円ほどとなっており、寒さの厳しい冬季には少し価格が下がります。ドレスコードも厳格に規定されているので、ラウンド前にホームページなどで確認しておいた方が良いでしょう。

日光カンツリー倶楽部は、チャンスがあればぜひラウンドしてみたい名門コースですね。敷居は高いですが、ラウンドの機会を得た際は井上マジックにご注意ください。