商都として名高い大阪府は、日本のゴルフ発祥の地・兵庫県に近かったことから、戦前戦後を通じて名ゴルフコースが誕生しました。

今回は、その大阪府のゴルフ場から、レギュラーティーでコースレーティング※1が70以上&スロープレーティング※2129以上の難易度の高いゴルフ場を厳選してご案内します。

猛者の称号を極めたいゴルファーの皆さん、ぜひ挑戦をお待ちしています。

※1:コースレーティング
ハンディ0のゴルファーにとって、当該コースがどれほどの難易度を持っているか示す数値。日本では、JGA(日本ゴルフ協会)が持つ算定方法に基づいて判定される。平均的な難易度は65で、70を超えると難コース。

※2:スロープレーティング
コースレーティングがスクラッチプレイヤーを基準にしているのに対し、ビギナーから上級者までを対象に、プレー結果を平均値化し、初心者に不利にならないよう傾斜化して数値化したもの。アメリカで2000年代初期からスタートし、日本でも2014年(平成26年)より「USGAコースレーティング」の名で採用され始めた。平均値は113で、125以上は超難関コースと言われる。

大阪府で難しいゴルフ場特集/コースレート・スロープレートの高い上級者向けコース

ゴルファーのコース適応性が問われる関西屈指の難コース「泉ヶ丘カントリークラブ」

1975年(昭和50年)開場の当コースは、全27ホール。最難関は葛城コース×金剛コース。レギュラーティーから全長6,652ヤード、パー72、コースレーティング71.9、スロープレーティング134です。
アクセスは阪和道・堺インターチェンジより車で約25分、泉北高速鉄道・泉ヶ丘駅or栂・美多木駅よりタクシーで約15分(事前にコースに依頼しタクシーを予約すれば無料で利用可)です。

井上誠一氏の弟子の一人で、元日本ゴルフ場設計者協会・副会長を務めた故宮沢長平氏が設計したコースです。
泉北丘陵の地形を巧みに利用した、関西特有のアップダウンに富んだ3コース27ホール。ドッグレッグホールが多数ありクラブ捌きが問われる金剛コースと、視覚的トラップが多く3コース中一番のクセモノの葛城コース、どちらも猛者の皆さまには攻めがい満点の難コースです。

関西特有のアップダウンが続くクセモノコース「泉佐野カントリークラブ」

1972年(昭和47年)開場の当コースは、全27ホール。最難関は犬鳴コース×大阪湾コースのコーライグリーン。レギュラーティーから全長6,428ヤード、パー72、コースレーティング71.8、スロープレーティング130です。
アクセスは、阪和道・上之郷インターチェンジより車で約20分、JR阪和線・日野根駅よりタクシーで約15分です。

泉州地区の名門として知られる同コース。山の原ゴルフクラブや亀岡カントリークラブなどの設計者で知られる町田義雄氏が手掛けたコースは、丘陵スタイルが主流の関西地方のコースの中で、丘陵&山岳両方のスタイルを持つコースです。
コース中央の犬鳴コースは、フラットな丘陵スタイルで、ロングヒットが可能。対して大阪湾コースは、山岳特有の打ち上げ&打ち下ろしの連続。アコーディア傘下のコースですが、手頃な料金でシーンの違う戦い方ができ、上質なサービスを受けられると、関西の猛者の皆さまから高い評価を受けています。

関西メジャーツアー界の生ける伝説。パナソニックオープン・ホストコース「茨木カンツリー倶楽部」

1923年(大正12年)開場の当コースは、全36ホール。最難関は東コース。レギュラーティーから全長6,403ヤード、パー72、コースレーティング71.4、スロープレーティング139です。
アクセスは、名神高速・茨木インターチェンジより車で約20分、JR東海道線・茨木駅東口より無料クラブバスで約15分、北大阪急行&大阪モノレール・千里中央駅よりタクシーで約20分です。

関西の猛者なら「一生に一度でいいからプレーしたい」と願う名門「茨カン」。スコットランドの名ゴルファーで、昭和天皇のゴルフ指導を務めたダビッド・フード氏が東コースを手掛け、後に井上誠一氏が西コースを設計監修。2コース36ホールの一大ゴルフパークへと育ちました。
PGAパナソニックオープンのホストコースであり、日本女子オープンなどのメジャーツアー会場を務めた「関西メジャーゴルフツアー界の生ける伝説」です。

北摂丘陵の700m級丘陵地に位置する高原コース「茨木高原カンツリー倶楽部」

1961年(昭和36年)開場の当コースは、全18ホール。レギュラーティーから全長6,341ヤード、パー72、コースレーティング70.3、スロープレーティング132です。
アクセスは新名神高速・千提寺インターチェンジより車で約15分、JR東海道線・茨木駅より無料送迎バスで約30分、北大阪急行・千里中央駅より無料送迎バスで約25分です。

北摂丘陵・標高680mの山頂に位置する同コース。山岳地系でありながら、関西特有の起伏の激しさはなく、フェアウェイも広く取られています。六甲カントリー倶楽部のグリーンキーパーから、関西屈指の設計家へ転じた町田義雄氏による設計。
コース上はどんどん飛ばして聞けますが、グリーン上のアンジュレーションとガードバンカーが各ホール共にクセモノ。慎重に行きましょう。
夏は大阪市内より5℃涼しく、加えて大阪市内を一望できる素晴らしい環境です。

ゴルフ界の名士たちが築き上げた、関西屈指の名門コース「交野カントリー倶楽部」

1973年(昭和48年)開場の当コースは、全18ホール。レギュラーティーから全長6,321ヤード、パー72、コースレーティング70.3 スロープレーティング136です。
アクセスは、第二京阪道路・交野北インターチェンジより車で約15分、京阪交野線・郡津駅より無料送迎バスで約20分、JR学研都市線・津田駅より無料送迎バスで約25分です。

関西一のハイキングコース・私市丘陵に隣接する同コース。川奈ホテル・大島コースを設計した故藤木安蔵氏・初代理事長が監修を務め、名匠・鈴木正一氏による設計&名門・安達建設による施工と申し分のない仕上がりぶりです。
スタートから400ヤード級のミドルが続き、かなりハードと言えます。終盤3ホールもミドル&ロングの連続。特に最終18番は507ヤード&パー5の名物ロング。果たして、そこまで体力が温存できるでしょうか(笑)。
同コースもう一つの最大の特徴は、関西一広いと言われるグリーン。ホームページ上で「3パット注意」と書かれる程の広さです。アプローチパットをいかに寄せて行くかも、同コース攻略の上で重要です。

関西最強と言われる50m打ち下ろしの竹コース「きさいちカントリークラブ」

1966年(昭和41年)開場の当コースは、全27コース。最難関は松コース×竹コースのベントAグリーン。レギュラーティーから全長6,695ヤード、パー72、
コースレーティング71.8、スロープレーティング130です。

加茂カントリークラブやラビーム白浜ゴルフ倶楽部など、旧私市観光傘下のコースとして開場。創業者の浅川吉男氏が自らの設計で知られています。現在はアコーディアに譲渡され、同傘下のコースとして親しまれています。
盆地状の地形に配された松コースは、3コース中一番距離が長いのが特徴。特に8番(560ヤード(レギュラーティー)&パー5)は、なかなかバーディが取り難いホールとして有名です。
一方、竹コースは、各ホールとも打ち下ろしが主体。中でも6番(217ヤード(レギュラーティー)&パー3)は、50mの打ち下ろし。ワンオンが至難の業と呼ばれる関西難ホールの内の一つです。

かつて日米トップ女子プロが激闘を繰り広げた超名門コース「ゴルフクラブ四条畷」

1960年(昭和35年)開場の当コースは、全18ホール。レギュラーティーから全長6,444ヤード、パー72、コースレーティング70.8、スロープレーティング132です。
アクセスは第二京阪道路・寝屋川北or南インターチェンジより車で約10分(大阪方面からは寝屋川北、京都方面からは寝屋川南各インター)、JR学研都市線・四条畷駅東口より無料送迎バスで約20分です。

生駒山麓北端の丘陵地に位置する同コース。大阪府下でも非常に歴史のあるコースで、1973(昭和48)年にLPGAラコステカップ日米対抗ゴルフの開催場(優勝・樋口久子JGA相談役)となるなど、プロアマを通じて重要なツアー開催コースとなっています。
高低差が20mにも及ぶ関西特有の丘陵スタイルで、加えてグリーンの傾斜が複雑。特にイン14番(473ヤード(レギュラーティー)&パー5)のグリーン傾斜は非常に難解。3パット覚悟の難しさと言えましょう。

「東の川奈・西の大カン」と呼ばれる西日本初のシーサイドコース「大阪ゴルフクラブ」

1937年(昭和12年)に会場した当コースは、戦争激化の影響で一時閉場となりましたが、1960年(昭和35年)に再開場しました。
全18ホールで、レギュラーティーから全長6,175ヤード、パー72、コースレーティング70.5、スロープレーティング134です。
アクセスは阪和道・泉南インターチェンジより車で約20分、南海本線・みさき公園駅より無料送迎バスで約3分(特急停車駅)です。

名匠・上田治氏の傑作と言われるコースで、西日本初のシーサイドコース。同様のコースは川奈ホテル。ゴルフコースしか無かったため「東の川奈・西の大カン」と呼ばれ、戦前ゴルファー達の憧れの地でした。しかしその後、戦争の激化に伴い、1944年(昭和19年)閉場しました。
戦後、米軍接収を経て土地が国に返されると、多くの関係者がコース再開に奔走。幾多の試練を乗り越え、終戦から15年後の1960年(昭和35年)、遂に全面再開へと至りました。

ツアー競技に使うにはやや短い距離ですが、同コース最大の呼び物は「砲台グリーン&高麗芝」と「ガードバンカー…というか殆どガケ」「激しい海風」と言えるでしょう。案内はないもの、18ホール全てがほぼ砲台グリーン。しかも芝は高麗芝と来たものですから、ベント芝に慣れっこの猛者の皆さまは、ほぼ間違いなく3パット4パットの憂き目に遭うという形です。しかも、グリーン周りのバンカーは、殆ど「崖」と言っても過言ではありません。加えて、紀伊水道からの南東の風は、例え石川遼プロや松山英樹プロですら白旗を挙げること間違いなしです。

しかし、こうした面白いコース設定や、各ホールから見渡せる大阪湾の絶景は、海外の関係者から高く評価され、特にゴルフの本場・英国からは「同コースに匹敵するものは、我がセントアンドリュース・オールドコースのみである」と言う最大級の賛辞を受けています。
それにしても、海外で大絶賛の同コースで、何故今までメジャーツアーが開かれなかったのでしょうか。青木会長、ぜひご検討をよろしくお願いします。

南河内地区一の格式と伝統を誇る、日本女子プロゴルフ選手権開催コース「聖丘カントリークラブ」

1959年(昭和34年)開場の当コースは、全27ホール。最難関は東コース×中コースのベントAグリーン。レギュラーティーから全長6,380ヤード、パー36、コースレーティング71.5、スロープレーティング131です。
アクセスは阪和道・美原北インターチェンジより車で約20分、近鉄南大阪線・富田林駅よりタクシーで約8分、南海高野線・金剛駅よりタクシーで約15分です。

地元に本部を置くPL教団が、遊興施設「PLランド」内に整備したパブリックコースが始まりです。設計者の御木道正氏は、教団教祖一族の出身です。
河内丘陵・北側の緩やかな地形を利用した3コース。ショットの飛距離と正確さ両方を求められる東コース。関西特有のアップダウンが続き、打ち上げ&打ち下ろしの厳しいプレーが続く中コース。その人の、ゴルフの本当の実力が解ると言われる西コース…猛者の皆さまと言えど、ドキドキプレーの連続です。

設計者・井上誠一氏に「これ以上手直しの必要はない」と言わしめたスーパーコース「枚方カントリー倶楽部」

1954年(昭和34年)開場の当コースは、全18ホール。
最難関のメイングリーンは、レギュラーティーから全長6,513ヤード、パー72、コースレーティング72.6、スロープレーティング137です。
アクセスは、第二京阪道路・枚方学研インターチェンジより車で約10分(大阪市内からの場合)、第二京阪道路・枚方東インターチェンジより車で約5分(京都市内からの場合)、JR学研都市線・松井山手駅より無料送迎バスで約5分です。

井上誠一氏が、設計者として最も脂が乗っていた1958年(昭和33年)~1954年(昭和39年)に掛けて作り上げられた同コース。その後、記念行事で来場ラウンドした際も「どこも手直しする必要はない」と言って帰っていたとか。その後も補修以外は手を加えていないと言う、完成度の高いスーパーコースです。
いきなりスタート1番(413ヤード&パー4)から、左ドックレッグの打ち下ろし。その後も打ち上げ&打ち下ろしが続くOUTコース。かたや、砲台グリーンのオンパレードに絶句する後半INコースには、思わず天を仰ぎたくなる思いです。

ドライバー飛距離が求められる南コースとクラブ捌きの上手い下手がモロに出る東コース「伏尾ゴルフ倶楽部」

1962年(昭和37年)開場の当コースは、全27ホール。最難関は東コース×南コース。全長6,377ヤード&パー72、コースレーティング70.9、スロープレーティング129です。
アクセスは、阪神高速池田線・木部インターチェンジより車で約10分、能勢電鉄妙見線・鼓滝駅より無料送迎バスで約10分です。

丹波丘陵の南端・今や大阪のベッドタウンの池田市に開場した同コース。ゴルフ場設計界の耽美派と称される村島良雄氏(ロバート・村島氏)が腕を振るいました。趣が異なる3コースは、それぞれ猛者たちを唸らせるポイントがてんこ盛り。
南コースは、コース全体に傾斜やうねりが多いのが特徴。コース攻略には、ドライバー飛距離をいかに伸ばすかがポイントです。
そして最も距離がある東コースは、広いフェアウェイが特徴も、グリーンに向かっての経路が一筋しかない怖いコース。クラブ捌きの上手い下手が、モロに解ってしまうとまで言われるコースです…怖いですね(汗)。

「正統派ゴルフ場」のキャッチコピーとは裏腹に、山岳・丘陵両方の性格を持つクセモノコース「ベニーカントリー俱楽部」

1974年(昭和49年)開場の当コースは、全18ホール。レギュラーティーから全長6,346ヤード、パー72、コースレーティング70.2、スロープレーティング136です。
アクセスは、新名神高速・高槻インターチェンジより車で約10分、JR東海道線・高槻駅&阪急・高槻市駅より無料送迎バスで約30分です。

大阪・京都の境・島本町に同コースはあります。上田治氏・井上誠一氏らと共に「日本ゴルフの父」C・H・アリソン氏から教えを受け、後に能勢カントリー倶楽部の常務理事を務めた故上西荘三郎氏が設計したコースです。
北摂丘陵の東端・標高400mに位置し、各ホールからは京都の街並みが見渡せるのは、関西のゴルフコースの中でもここだけ。夏は暑さも凌げるとあって、猛者の方々には好評なコースです。
同コースのホームページには「正統派ゴルフ場」と銘打ち、「至って難しくはありませんよぉ」と言った雰囲気を醸し出していますが、それは全くの大違い。一見フツーな関西風丘陵コースに見えますが、気が付かない内に小さな打ち上げ&打ち下げなどと言った山岳要素も絡みます。これが、結構体に堪えて来るのです。

葛城山麓に築かれた山岳丘陵のコンビネーション「ワールドカントリークラブ」

1996年(平成8年)開場の当コースは、全18ホール。レギュラーティーから全長6,348ヤード、パー72、コースレーティング72.0、スロープレーティング131です。
アクセスは、南阪奈道・羽曳野インターチェンジより約25分、近鉄南大阪線・富田林駅より車で約20分です。

コース設計は、アメリカの著名なゴルフコース設計者の一人リュック・ジェイコブソン氏。USPGAのコースアドバイザーを務める彼が、広大な葛城山麓を利用して生み出したのは、大胆な山岳丘陵のコンビネーションコース。前半は緩やかで「の~んびり」と牧歌的な丘陵スタイルが続きます。が…、昼食後に迎える後半は「コースが違うんじゃないか?」と目を疑うほどの山岳スタイル。最大の難所は17番(343ヤード&パー4)と18番(483ヤード&パー5)。17番は打ち上げ、18番は打ち下ろし…筋力がある方も真っ青の体力コースです。ただ、後半に入ってからの大阪市内の絶景は一見の価値あり。猛者の皆さん、何としても後半まで生き残れる様?体力は温存しましょう(笑)。

まとめ

いかがでしたでしょうか。スロープレーティング査定をまだ導入できていないコースもまだ多く、今後査定が進むにつれて、予想もしないコースが「難コース」として紹介される日も遠くないのではないでしょう。

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