名門ゴルフ場というと、みなさんどんなイメージをお持ちでしょうか。この記事では、コース設計へのこだわりはもちろんですが、長い歴史やゴルフ場全体を貫くコンセプトなど、名門ならではの情報も紹介していきます。
今回は、新潟県から名門ゴルフ場を紹介します。新潟県は7,000ヤードを越えるチャンピオンコースが多数存在しており、挑戦しがいのあるコースも多いです。降雪の影響で冬季は休業してしまうゴルフ場も多いですが、沿岸地方であれば雪の影響を受けないゴルフ場もあるようです。
ぜひお気に入りのゴルフ場を見つけてラウンドを楽しんできてください。

新潟県にある名門ゴルフ場

歴史ある赤倉観光ホテルが隣接する「赤倉ゴルフコース」

赤倉ゴルフコースは、1963年(昭和38年)開場のゴルフ場です。当初は大成建設設計の9ホールでのスタートでしたが、1971年(昭和46年)に井上誠一氏設計で9ホールが追加されるとともに既存の9ホールも改造され、18ホールでの営業をスタートさせました。井上誠一氏は、「Green周辺の自然地形および樹木、樹林を生かしてできるだけ自然環境に溶合した造形方法を採ること」という言葉を造形指示書に残しており、その土地の自然の美しさを生かしたコース設計を目指していくというこだわりがうかがえます。1978年(昭和53年)の土石流などの影響もあり、現在井上誠一氏の設計が原型のまま残っているホールは4、5、6、7、14、15番の6ホールとなっています。中でも4番ホールは名物ホールの一つとされ、打ち上げでかつS字のホールです。広いフェアウェイにせり出している樹木や、砲台グリーンの配置など、設計者の特徴が感じられます。
また、隣接する赤倉観光ホテルは1937年(昭和12年)創業の長い歴史を持つホテルで、当時帝国ホテルや川奈ホテルなど名だたるホテルを経営していた大倉喜七郎氏が初代会長として就任しました。標高約1,000メートルの妙高高原から望む絶景や、源泉掛け流しの温泉、料理の味と雰囲気ともに洗練されたレストランなどが魅力です。赤倉観光ホテルの宿泊とゴルフ場でのラウンドがセットになったプランも用意されているので、ぜひ合わせて利用を考えてみてください。

伝統と現代、趣の異なる2コースを擁する「紫雲ゴルフ倶楽部」

紫雲ゴルフ倶楽部は、日本海に流れ込む加治川に沿って赤松原生林が広がる砂丘地帯の景観に感銘をうけた葉山健二郎氏が、「ここにゴルフ場を作ろう」という熱意を原動力に自ら会社を立ち上げ建設に取り組んだゴルフ場です。コースは正統の英国調、加治川コースと、アメリカン・モダン、飯豊コースという全く趣の異なる2コース、全36ホールからなります。加治川コースの設計は霞が関カントリークラブキャプテンでコース設計家としても有名な藤田欽哉氏です。自然を生かした設計という理念のもと、紫雲ゴルフ倶楽部でも赤松の大木をハザードや景観の一部として有効活用しています。そうした設計方針もあり、6ホールがドッグレッグホールとなっています。2008年には日本女子オープンゴルフ選手権競技が開催されており、プロもラウンドする難易度の高いコースであることが伺えます。一方、飯豊コースは世界で数多くのコース設計を手掛けるデニス・グリフィス氏が設計を手掛けています。アメリカンスタイルの戦略的なコースで、巧みに配置されたウォーターハザードやバンカー、クリークが攻略への壁となって挑戦者の前に立ちはだかります。

二人の設計者が熱意を注いだ全27ホールのゴルフ場「長岡カントリー倶楽部」

長岡カントリー倶楽部は、1966年(昭和41年)開場のゴルフ場です。長岡は、すぐ近くの栃尾、見附、三条と合わせて新潟圏に比肩する経済圏でしたが、1964年(昭和39年)になってもゴルフ場がありませんでした。これを憂いた当時の長岡市長上村清五郎氏が、練習場ゴルファーの新年会の席でゴルフ場建設に向けて檄を飛ばし、建設計画がスタートしました。関東の井上誠一氏と並ぶ双璧といわれた上田治氏に設計が任されましたが、予定地を検分し恵まれた地勢であると感動し、代表的な作品にしたいと意欲を見せていたそうです。当初は東コース、西コースの全18ホールでの営業でしたが、1975年(昭和50年)には和泉一介氏設計で南コースの9ホールが増設されています。東コース、西コースはフラットな林間コースで距離のあるホールが多くなっている一方、南コースは多少のアップダウンがあり、距離も短めとなっています。さらに南ホールは各ホールが独立しており左右のOBがあることから、正確なショットが要求されるコースであると言えます。
日本女子プロゴルフ選手権大会、関東アマチュアゴルフ選手権決勝競技、関東ミッドアマチュアゴルフ選手権決勝競技といった競技も開催されており、名門ゴルフ場と呼ぶにふさわしいゴルフ場であることが伺えます。

美しい松林に囲まれたシーサイドコース「日本海カントリークラブ」

日本海カントリークラブは、1973年(昭和48年)に開場した全27ホールのゴルフ場です。日本海側の海岸線は約2,000キロメートルという長さがあるものの、シーサイドコースに適切な土地は多くありませんでした。その中でゴルフ場建設に適切な数少ない土地の一つが中条町荒井浜にある、杉苔とハナマスが繁茂し、樹齢100年を超える赤松を含む松林に覆われた砂丘地帯でした。コースの設計を担当したのは大久保昌氏で、巨匠井上誠一氏が助言を行っています。土地の適度な起伏と赤松の大木をハザードとして生かすなど、元の自然を大切にした設計が特徴です。池やバンカーも効果的に配置され、戦略性が高いコースとなっています。愛鳥ゴルフコースに指定されただけではなく、NST新潟オープンゴルフ選手権大会が開催されたという実績もあり、コースの自然美や設計の緻密さが感じられます。
毎月オープンコンペの開催もあるため、参加して新たなゴルフ仲間との出会いを楽しむのも良いのではないでしょうか。

自然と調和する丘陵林間コース「ヨネックスカントリークラブ」

ヨネックスカントリークラブは、毎年6月に「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」が開催される、県内屈指のチャンピオンコース。
日本海を望む大自然を生かしながら、クラブメーカーらしく「プロに厳しく、アマに優しく」をコンセプトに造られました。
OUTコースはやや距離の長い美しい林間コース、INコースは池やバンカーなどのハザードがきいた戦略的なコースとなっています。2番ホール・パー4は、コース屈指の難ホールであり、大会では女子プロの高い技術が数多く披露されました。
トーナメントコースながら、予約サイトから気軽に予約ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

いかがでしたか。ここまでで紹介してきた通り、どのゴルフ場もそれぞれ名門と呼ばれるだけの素晴らしい歴史や特徴を備えています。
今回は5ヶ所のゴルフ場を紹介しましたが、中でも特にオススメしたいのは「赤倉ゴルフコース」です。名匠井上誠一氏の設計によるありのままの自然を生かしたコースは、ラウンドするゴルファーに安らぎを与えてくれます。隣接する赤倉観光ホテルも伝統が感じられるホテルで、宿泊とラウンド合わせてゆったりと休日を過ごすのも良いのではないでしょうか。
ぜひこの記事をゴルフ場選びの参考にして、ラウンドを楽しんできてください。

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