2015年(平成27年)3月、北陸新幹線が金沢まで開業し、首都圏からも手軽に足が運べるようになった石川県。歴史と文化に彩られた同県は、ゴルファー達を唸らせる名門と呼ばれるゴルフ場が多数ある事でも知られています。
今回は、日本海側でも有数のゴルフ県である石川から、歴史が古く「名門」との呼び声が高いゴルフ場を12コースご紹介します。今や日帰りゴルフも夢ではない石川県の名門ゴルフ場から、ぜひあなた好みのコースを見つけて下さいね。

石川県で名門といわれるゴルフ場

日本最大級3コース&54ホール。有村智恵プロ思い出の地・片山津ゴルフ倶楽部片山津ゴルフ場

北陸道・片山津インターチェンジより車で約5分。JR北陸線・加賀温泉駅から車で約20分。小松空港から車で20分。日本海に隣接する丘陵地に1957年(昭和32年)同コースは開場しました。
名匠・佐藤儀一氏の手により、まず18ホールの白山コース(6,586ヤード/レギュラーティー&パー72)がオープン。その後、いずれも佐藤儀一氏の手により1967年(昭和42年)に日本海コース(6,209ヤード/レギュラーティー&パー72)1970年(昭和45年)年には加賀コース(6,566ヤード/レギュラーティー&パー72)を開場。「日本海側にツアー誘致可能な本格的ゴルフ場を」という地元政財界の悲願は、ペプシトーナメント(1974年/昭和54年)や日本オープンゴルフ選手権(2004年/平成16年)などの10度のツアー開催で達成されました。
同コースは、PGAプロテストコースにも指定され、2006年(平成18年)加賀コースで行われたプロテストでは、女子プロゴルフ界のアイドル・有村智恵プロがトップ合格…思い出の地となりました。
今や日本最大級3コース&54ホールの巨大ゴルフパークは、ホームページにある交通アクセスのトップに「飛行機でお越しの方」が(汗)。国内外に路線を持つ小松空港に隣接の同コースの人気は、今後ワールドワイドに広がって行く事でしょう。

北陸各地から2時間足らずでアクセス。プレー後は名湯&名勝へ!那谷寺カントリー倶楽部

北陸道・片山津インターチェンジより車で約20分。JR北陸線・加賀温泉駅からは車で約10分。
日本ゴルフ場設計者10傑の一人である松山桂司氏の手により、1970年(昭和45年)開場しました。元々は大手商社・丸紅傘下で「アイランドゴルフガーデン加賀」と名乗っていましたが、2017年(平成29年)に現経営陣の元で、装いも新たにスタートしました。
同コースはアクセスの良さで知られ、金沢&福井市内からは一般道で僅か45分。富山や能登地方からでも、高速経由で2時間足らずで到着できると言う驚きの立地です。
霊峰白山を望む加賀温泉郷の丘陵地に築かれた5,963ヤード&パー72。注目は中コース3番のショートホール。打ち降ろしに加え、池とバンカーがクリーンを包囲する様には、猛者ゴルファー諸氏も思わず「ヤバいんじゃないの」と口にするかも知れません。
アクセスの良さを誇る同コースですが、北陸の4大名湯(片山津・加賀・山代・粟津)へも僅か15分。加えて松尾芭蕉ゆかりの寺で、同コースの名前の元になった那谷寺や名勝・千里浜にも簡単に行けます。あなたはプレー終了後、名湯へダイブ派?…それとも名勝で心癒される派?

セグウェイで回るシーサイドコース。北陸唯一のナイター設備がある千里浜カントリークラブ

のと里山海道・今井インターチェンジより車で約5分。急行停車のJR七尾線・羽咋駅より車で約25分。能登の名勝・千里浜に隣接。工学博士という異色の経歴を持つゴルフ場設計家・間野貞吉氏の手により1971年(昭和46年)開場した同コースは、北陸随一のシーサイドコースと知られています。千里浜の松林や砂浜に溶け込むが如くの同コースは、まるで海辺の自然の中でプレーする錯覚にとらわれる様です。加えて日本海の強い浜風との戦いは、6,359ヤード(レギュラーティー)&パー72というチャンピオンコースと共に、猛者達のゴルファー魂に火を付けることでしょう。
また同コースは、北陸のコースの中で唯一という設備を二つ持ちます。
その一つはナイター設備。本格的な夜間帯プレーを想定した設備ではありませんが、薄暮や日没直後でのサスペンデッドが無く最後までプレーを終えられるのは安心できますね。
もう一つは、今話題のセグウェイの貸し出し。同コースは全てワンデーセルフ&乗用カートで回るスタイルですが、セグウェイを貸し出してコースを廻って貰うサービスを行っています。ただしホームページでは貸し出しの事実を告知するだけで、貸し出しに際しての料金・事前講習等の案内は出ていません。セグウェイをご希望の際は、必ず事前にクラブへ直接お問い合わせください。

ツアープロすら恐れる超魔界コース。「青木のワナ」に挑め!朱鷺の台カントリークラブ

のと里山海道・柳田インターチェンジより車で約5分。特急停車のJR七尾線・羽咋駅より車で約20分。日本海を望む眉丈台地上に築かれた同コース。昆虫学者としても著名なゴルフ場設計家・丸毛信勝氏によって、1972年(昭和47年)開場しました。後に指定された能登半島国定公園のエリア内に存在することでも知られ、自然環境への配慮にも注力しているコースです。
眉丈台コース(6,134ヤード/レギュラーティー&パー72)と能州台コース(6,096ヤード/レギュラーティー&パー72)の2コース36ホールと県下有数のゴルフパーク。比較的穏やかでプレーを楽しむことを重視した能州台コースに対し、眉丈台コースは多くのプロから「超魔界コース」と恐れられているのです。
眉丈台コースは1976年(昭和51年)~1997年(平成9年)までの22年間、男子ツアー「ミズノオープン」開催場となり、数々の「難関化改造工事」が繰り返されました。中島・ジャンボなどトッププロ指導の元の改造で魔界化?したコース。各ゴルフ誌で取上げられている同コースの17番は、日本で唯一グリーン上にバンカーがある信じられない設定。「サソリ」「タコ壺」と名付けられたコースバンカーの数々。そして、何と言っても圧巻は、JGA青木会長指導の元1993年(平成5年)~1994年(平成6年)に掛け魔界化改造された15番(434ヤード&パー4)。「青木のワナ」と呼ばれ、高低差80cmのガードバンカーがクリーンを三方から囲む様は、猛者といえども「ギブアップ」と言いたくなります。
プロでも、パープレーできれば上々という眉丈台コース。「魔界征服」を目指す皆さん、火曜のセルフデーでコースがお休みになる日以外に戦いを挑みましょう。

日本で唯一お城型のクラブハウスを有する加賀カントリークラブ

北陸道・加賀インターチェンジより車で10分ほど。JR北陸線・大聖寺駅から車で僅か5分。北陸の秘湯と言われる大聖寺温泉郷の近くに同コースはあります。
ゴルフ場建設を請け負う中、自らもゴルフ場設計に乗り出した私市グループの創業者・浅川吉男氏の手により1973年(昭和48年)年開場しました。
同コースを訪れてまず目につくのは、お城を模したクラブハウス。日本でもここだけという豪華な造りは、ゴルファーだけでなく観光客さえ引き付けるそうで、地元の観光バス&タクシーが必ず案内する名所となっているそうです。
コースは「松」「竹」「梅」と、こちらの日本情緒溢れる名前の3コース27ホール。最も距離が長い「松」×「竹」で6,484ヤード(レギュラーティー)&パー72&レート71.0。その他の組み合わせもレギュラーティーで6,300ヤード越えと攻め応え十分なコースです。直線的で豪快なショットが楽しめる半面、関西的なアップダウンが続く丘陵コースのため、攻めのオン&オフに注意。特に松コースの5番(366ヤード(レギュラーティー)&パー4)は、直線的ながら打ち上げ。加えて二段構えのフェアウェイなため、落としどころを間違えれば厳しいプレーとなるでしょう。

白山カントリー倶楽部松風コースは、ズバリ「ゴルフを楽しむため」のコースだ

北陸道・小松インターチェンジより車で30分。JR北陸線・小松駅より車で20分。霊峰白山の懐に抱かれた同コースは、1974年(昭和49年)全国でも珍しい自社開発で開場しました。
兄弟コースで、6,400ヤード(レギュラーティー)超えのチャンピオンコースである泉水コースに対し、同コースは6,184ヤード(レギュラーティー)&パー72&レート69.0と一般的。適度な起伏と広いフェアウェイ&グリーンは、全てのゴルファーにとって「ゴルフと言うスポーツを楽しむため」にあるコースと言えます。
圧巻はスタート4番の540ヤード&パー5、赤松のハザードが効いたS字ホール。ホール全体を読み切り、ストレートにブチかまして行くことがホール攻略のカギでしょう。
二人乗りカートで回る全組ワンデーセルフスタイルですので、カップルやご夫婦での「おとなゴルフ」にも持ってこいのコースです。

全国でも珍しいショート×4コースで構成された片山津ゴルフ倶楽部山中山代ゴルフ場

北陸道・加賀インターチェンジより車で約5分。JR北陸線・加賀温泉駅より車で約15分。石川県と福井県境の北潟湖に隣接する同コース。名匠・富澤広親氏の手により1974年(昭和49年)開場しました。
全国でショート×3コース・27ホール構成をするゴルフパークは良く見かけますが、同コースは「あすなろ(3,152ヤード/レギュラーティー)」「くろゆり(3,138ヤード/レギュラーティー)」「いぬわし(3,210ヤード/レギュラーティー)」「だいにち(3,052ヤード/レギュラーティー)」のショート×4コース・36ホールで構成されるゴルフパークで全国でも珍しい構成。
4コースの内「だいにち」コースは、これも全国で珍しい自分でバッグを担いでセルフプレーするスタイル。要するに「お一人様ゴルフ」も可能なスタイル。「でもねぇ~やっぱりカートが欲しい」と言う方は、残りの三コースへ。2サム可能なカート付きワンデーセルフをお楽しみください。
ゴルファーの口コミを見ると「コースや施設の整備がとてもいい」と多数声が寄せられています。

「時間がないけど、ちょっとゴルフしたいなぁ」とお悩みの方は金沢カントリー倶楽部へ

北陸道・金沢東インターチェンジより車で約1時間。JR七尾線・宇野気駅より車で約5分。北陸富山出身の事業家・ゴルフ場経営者の故相山武夫氏入魂の一作として1975年(昭和50年)開場。くしくも2018年日本オープンが開催された横浜カントリークラブも、氏の作品として知られています。
「東」「中」「西」のショートホール3コース×27ホールで構成。メインの「中」×「西」の18ホールで6,378ヤード(レギュラーティー)&パー72と至って普通。高低差の少ない丘陵コースは、楽しい一日を約束してくれそうです。
でも…ハーフといえども3,000ヤード超えの各コース。「仕事の空き時間を有効に使いたい」「急にゴルフしたくなったけど、気楽に回れるコースってないかしら」とお悩みのゴルファー諸氏は、ぜひ同コースへ。何と1,236ヤード&パー28の「ショートホール金沢」が、同コースにあります。最長180ヤードの堂々たる設定…決してジュニア用のコースではなく、下手すれば「オーバーパー!となってしまった」なる口コミも有りますよ。
大体一時間弱でホールアウトできる気軽なコースが、平日は昼食付きで2,100円(諸税込み)とはビックリ。しかもポイント制を導入し、1ラウンドが1ポイントで、10ポイントたまると本コースの1ラウンド優待券が貰えます。美技なゴルファーの皆さんなら、ショートコースでしっかり練習して、10ポイント溜めて本コースで腕試し…なんて良いですね。

能登の地に息づく名門コース。秀逸なレストランメニューが自慢の能登カントリークラブ

のと里山海道・米出インターチェンジより車で約5分。JR七尾線・羽咋駅より車で約15分。能登半島の中央部、日本海を望む丘陵地に1968年(昭和43年)開場。同コースを設計したのは、現在のJGA初代会長で、ゴルフ殿堂入りした故安田幸吉氏。過去ダンロップトーナメント(1975年/昭和50年~1976年/昭和51年)三菱ギャラントーナメント(1977年/昭和52年・1984年/昭和59年・1991年/平成3年)開催の栄誉に輝く「能登の名門コース」と呼ばれています。
松林越えに潮騒が聞こえる「日本海コース」、春には、はまなすが咲き乱れる「はまなすコース」、広大なフェアウェイにアンジュレーションが効いた「宝達コース」の3コース×27ホール。レギュラーティーで最も距離のある「はまなす」×「宝達」で6,621ヤード…正にチャンピオンコースです。
そして同コースが名門と言われるもう一つの理由…それが秀逸なクラブハウスレストランメニューの数々。地元のブランド牛・能登牛の厳選された部分だけ使ったステーキやハンバーグ。豊かな日本海の海の幸を使った海鮮バラちらしや天麩羅は、グルメならずとも一度は食べてみたい逸品。秀逸なコースとグルメな一日は、皆さんのゴルフライフで忘れられない一日と記憶されるでしょう。

開放感あふれる2コース×36ホール。日本プロ開催コースのゴルフクラブツインフィールズ

北陸道・小松インターチェンジ&JR北陸線・小松駅から車で約20分。霊峰・白山から広がる加賀丘陵の一角に1992年(平成4年)開場。名匠・富澤誠造氏の弟子の一人で、東名カントリーなどの名コースを手掛けた竹中秀夫氏が腕を振るった名コースです。1999年(平成10年)同クラブのダイヤモンドコースでは第67回日本プロゴルフ選手権が開催され、尾崎三兄弟がワンツースリーフィニッシュする快挙を成し遂げたことで知られています(優勝はジョーこと尾崎直道プロ)。
オーソドックスな丘陵コースのゴールドコースは、レギュラーティーで6,567ヤード&パー72と若干チャンピオン級。とは言え、直線的なホールが殆どで、池などのハザードに気を付ければパープレーも不可能ではありません。
問題は、ツアーコースのダイヤモンドコース。6,412ヤード(レギュラーティー)と距離は若干短いも、池越え&林越えのハザードが続き、グリーン周りのガードバンカー配置も厳しいモノがあります。特にアウト5番(347ヤード&パー4)は、セカンドショットが池越えとグリーン狙いが重なり、距離感とクラブ選びで苦労するかも知れません。

男子シニアツアー「コマツオープン」開催場。冬季は大変お得な小松カントリークラブ

北陸道・小松インターチェンジより車で約25分。JR北陸線・小松駅より車で約15分。ツアー通算18勝を誇る新井規矩雄プロが監修し、1993年(平成5年)年開場しました。
広葉樹林で完全セパレートされた6,561ヤード(レギュラーティー)&パー72は、加賀丘陵の自然な起伏を利用したアップダウンに富む丘陵コース。最終18ホールには、名勝・兼六園と同じ「ことじ灯篭」が据えられ、景勝地北陸を印象付ける心憎い演出が行われています。
同コースは、2006年(平成18年)より、地元の名門企業「コマツ」が冠スポンサーとなる男子シニアツアー「コマツオープン」の開催場となっており、2018年(8/30~9/1開催)は金鐘徳プロが優勝しました。
名門コースだけに、通常はキャディー付きプレーが平日ビジターで14,970円(総額/食事別)、土日祝20,370円(総額/食事別)ですが、12月~2月の冬季料金は大変お得です。豪雪地だけにクローズの危険性はありますが、上記同様キャディー付きプレーで平日11,730円&土日祝日14,970円となります。
お得な冬季料金を楽しみたいあなたは、予約の上、てるてる坊主を下げてプレー日を待ちましょう。

最果て奥能登に名門コースあり。JGAレート74.9(FBT)の超難コース・ザ・カントリークラブ能登

のと里山海道・穴水インターチェンジより車で約10分。のと鉄道・穴水駅より車で約10分。能登空港から車で約20分。最果て奥能登・穴水の地に1995年(平成7年)開場しました。
設計者が滝藤稔氏と聞いて「ピン」と来た方は、かなりのゴルフ通。宮崎レイクサイドGCや茨城ロイヤルCCなど軒並みJGAレート73.0超えの超難関コース設計家として知られ、同コースもフルバックティーで74.9と日本でも有数の難関コースです。但し、レギュラーティーでのレートは70.5です・・・ご安心を。
「おおたか」「みざご」のショートホールで構成される18ホール。6,319ヤード(レギュラーティー)と距離がある上に、砲台グリーン(みさご1番)や二段グリーン(おおたか5番)など「クセ者グリーン」が数々。加えて、全般的に打ち上げが多い丘陵コースなだけに、事前の練習は欠かせないでしょう。
因みに、同コースのショートホールでホールインワンを達成された方には、商品として和倉温泉の名旅館・加賀屋別館で、迎賓館と称される「松乃碧」に4名一組で御招待されるそうです。
尚、同コースは12月~2月は冬季クローズとなります。その間は、一人一泊10万円とも言われる名旅館でのサービスを妄想しながら、クラブのメンテをしてその日を迎えましょう(笑)。

まとめ

いかがでしたでしょうか。さすが観光県・石川県だけに、有名どころのコースが数多くありましたね。県内のコースは、一部を除いて創業時の運営会社が引き続き経営しているだけに、他のコースと比べてサービスの質が高いと言われているのが特徴です。
最近は、「上質で古き良き高度成長期の日本のゴルフ場のサービス」を目指して海外からも同県のコースを訪ねる海外ゴルファーも増えているそうです。今後、益々目が離せない同県のコースは、国内のゴルファーにとっても今後注目の的になる事間違いなしです。

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