愛知県は、戦国時代に尾張国(現在の愛知県)と呼ばれ、戦国三英傑の織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を輩出した県として有名です。そして、ゴルフ場の歴史も古く、約50以上のゴルフ場県内があります。
名古屋で最古となるゴルフ場は、1929年開場の「名古屋ゴルフ倶楽部」で、中部地方で最初に作られたゴルフ場でもあります。さらに、他にも日本各地で数多くのゴルフ場を設計した名設計家による歴史と伝統がある名門のゴルフ場が多く、時代が流れても伝統を継承しながら、新しい歴史を築いています。
この記事は、愛知県にある名門のゴルフ場を紹介いたします。

愛知県にある名門ゴルフ場、ゴルフコース

日本屈指の難コース!名古屋で最古のゴルフ場「名古屋ゴルフ倶楽部」

1929(昭和4年)年9月15日開場の名古屋ゴルフ倶楽部は、18ホール、6,063ヤード/パー69の和合リンクスとして開場した名門ゴルフ場です。中部地方に最初に作られたゴルフ場であり、愛知県でも一番古いゴルフ場です。設計は、川奈ホテルゴルフコースを手掛けた大谷光明氏。(終戦後の1950年(昭和25年)に上田治氏によって改修)
1960(昭和35年)年から続く男子トーナメントの「中日クラウンズ」は、2018年4月の開催で59回を数えます。同一コースを利用した大会としても異例の継続を誇ります。
青木功プロ、ジャンボ尾崎プロは、中日クラウンズで最多優勝回数5回を誇り、あわせて3年連続優勝の大会レコードも保持しています。そして、最年少優勝記録は、2010年の石川遼プロ。なんと18歳7ヶ月で優勝しているのですが、その優勝も記録ずくめでした。最終日のストロークを58でフィニッシュしているのですが、これは当時の世界6大ツアー(米、欧、豪、アジア、南アフリカ、日本)の中で最小でのストローク。また、OUTで記録したハーフ28は9ホールでの最小スコアツアータイ記録。18ホールで12バーディーも最終日男子ツアータイ記録で、まさに記録ずくめでの優勝は記憶に新しいところです。
そしてコースは、「日本屈指の難コース」と言われています。コース距離は、約6,500ヤードで短めですが、グリーンは砲台でフェアウェイから面が見えず、更にお椀型になっているため、ボールも止まらずその上で小さくて早くなっています。また、風は終始安定しておらず、バンカーもボールが沈みやすい細かい粒子の砂を利用しています。そして名物は17番ホール/パー3の池超えホール。池とバンカーに囲まれた砲台グリーンが見た目以上の難易度を誇り、しばしば「魔の17番」と表現されています。
石川遼プロや青木功プロ、ジャンボ尾崎プロが築き上げた栄光の地で、ぜひ、ラウンドしてみたいですね。

名古屋ゴルフ倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

名古屋ゴルフ倶楽部の詳細はこちら

尾張徳川のお狩場跡に名匠井上誠一氏が設計した「愛知カンツリー倶楽部」

1954年(昭和29年)10月10日、中部地方としては戦後初のゴルフ場として開場した名門コースです。設計は、井上誠一氏。戦後当時、愛知県には「名古屋ゴルフ倶楽部和合コース」が唯一存在していましたが、米軍に接収され、外国人専用になっていました。そこで一般プレイヤーが思うようにゴルフができないことを憂い、もう一つゴルフ場を造りたいというところが愛知カンツリー倶楽部のスタートとなりました。開場後、日本オープン3回、日本アマ3回を始めとして、公式競技、トーナメント開催が数多く開催されています。
2004年(平成16年)には、開場50周年を迎え、グリーンのベント化、練習場や駐車場の拡張、ティーインググラウンドの改修などを行いながら、数々のゴルファーを受け入れてきました。愛知カンツリー倶楽部がある牧野ケ池緑地は、尾張徳川のお狩場跡に造られており、豊かな自然美をいかして設計されており、松林と池でセパレートされたコースは、18ホール、ベントワングリーン、パー74となっています。
名物ホールは6番、336ヤード(バックティー)のパー4。キャリーで230ヤード以上飛ばすと、右側にある池に入るので注意が必要。グリーンに向かって緩やかな上りとなっていおり、距離感を掴むのが難しく、手前のバンカーにも注意が必要です。また、自然地形をいかした14番539ヤード(バックティー)のパー5は、通称アパッチ砦と呼ばれており、ティーインググラウンドから右の小高い砦風の丘を越えて打つのか、左のフェアウェイを辿るのか、選択が迫られるコースです。
井上誠一氏曰く、「日本中探しても得難い地形」と絶賛し、土工量を少なくして自然地形を生かす造りとなっています。
50年以上の歴史を誇る名門愛知カンツリー倶楽部は会員制のため、ビジターは中々ラウンドすることはできませんが、県民開放デーとしてプレー日指定となりますが、事前申し込みをすればラウンドすることができるので、公式サイトを確認してみてください。

愛知カンツリー倶楽部の詳細はこちら

ゴルフ普及のために誕生した公営コース「ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場」

愛知県尾張旭市にある名門コース、ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場は、1955年12月1日に開場。開場時は、「森林公園ゴルフ場」としていましたが、2013年(平成25年)4月PFI事業により「ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場」と名称変更になっています。1955年頃の日本国内のゴルフ場にはパブリックコースがほとんど存在していませんでした。それを危惧した当時の愛知県知事桑原幹根氏の推進力によって、公営パブリックゴルフ場として、全国で2番目にオープンしたゴルフ場です。開場から3年後の1958年(昭和33年)には、待望の18ホールが完成。国内のゴルフブームもあり、1963年(昭和38年)には、27ホール、その翌年10月に36ホールの仮会場式行われ、現在の36ホールとなっています。設計は、関西方面で数々のゴルフ場の設計を手掛けた上田治氏。「全長、起伏に申し分なく、地形より来るスリル、ヂフィカルチャー、加うるに適所をガードするハザードの所在によって、新に技をみがくに遺憾なきコース」と語っています。
名物は9番と14番ホール。9番は390ヤード(バックティー)/パー4。ティーショットは打ち上げの池超えとなっており、グリーンまで上りが続くため、大きめのクラブで攻略する必要があります。また、14番180ヤード(バックティー)/パー3は、谷越えでプレッシャーのかかるホール。いずれも起伏の大きな地形を生かした見事なコースとなっています。
公営パブリックコースとして誰もが気軽にラウンドできる名門コースを体験してみてはいかがでしょうか。

ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場はこちらの記事でも紹介しています

ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場の詳細はこちら

愛知県にもう1つ名門コースを作ろうという中京財界の声から生まれた「三好カントリー倶楽部」

三好カントリー倶楽部は、愛知県にもう1つ名門コースがあった方がいいという中京財界の声が発端となり、1961年(昭和36年)5月21日に開場しました。当時、既に名古屋ゴルフ倶楽部和合コースが存在しており、これに並ぶゴルフ場が求められていました。設計は、「世界に通用するチャンピオンコースを!」という提案から本家英国生まれの設計家J・E・クレーン氏に依頼。ゴルフ場用地は、名古屋からの距離、アクセス、そしてトヨタに近いという立地条件で選ばれ、現みよし市黒笹町が選ばれました。通常のゴルフ場は、数十年かけてコツコツとトーナメントを開催しながら名声を上げて、名門と呼ばれるようになりますが、三好カントリー倶楽部は、開場から2年後に中日クラウンズを開催。翌年にも中日クラウンズを開催し、開場から4年後には日本オープンを開催、その他にも東海クラシックを37回連続開催中で、三好カントリー倶楽部の名前を不動のものにしています。1969年(昭和44年)には東コース18ホールが完成し、合計36ホールとなっています。
名物は、西コースの8番。打ち下ろしとなっているこのホールは、パー3設定にも関わらず距離が225ヤード(バックティー)あり、レギュラーティーからでも190ヤードとかなりタフな設計となっています。
ラウンドは、会員同伴が原則となっています。服装規定やマナーなど、ゴルフの伝統と格式を伝える倶楽部のため、ラウンドするチャンスに巡り合った際は、事前に確認をしてラウンドに備えましょう。

三好カントリー倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

三好カントリー倶楽部の詳細はこちら

疲労を感じさせないフラットで広いフェアウェイが特徴の名門シーサイドコース「伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部」

伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部は、渥美半島の突端に愛知県では8番目となるゴルフ場として1962年(昭和37年)に誕生した名門ゴルフ場です。この伊良湖地区は、明治38年以来、陸軍の試射場として使われており、現在の18番ホール一本松付近は着弾地点で、終戦時には荒れ果てていたという記録が残っています。設計は、長谷川武治氏が担当。着工から資金不足の問題が発生しており、近鉄から事業参画の打診がありましたが、「地元企業に支援してもらいたい!」という想いから近鉄からの打診を断り、会員募集を継続。その後、名古屋鉄道が経営参画し、株式会社伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部として、新会社発足を行いゴルフ場も完成。18ホール、6,553ヤード/パー72となったコースは、「疲労度の少ない快適なシーサイドコース」と設計を担当した長谷川氏の談話が残っています。
名物の17番373ヤード(バックティー)/パー4は、フェアウェイの両サイドに6つのバンカーがあり、ティーショットがずれるとバンカーの餌食となります。2段となっているベントグリーンは、奥側が低くなっており、ショットの正確性が求められるコースとなっています。
会員制を採用していますが、ビジターも予約サイトから予約することができます。黒潮が打ち砕ける遠州灘と波穏やかな三河湾に囲まれたシーサイドの名門コースでラウンドしてみてはいかがでしょうか。

伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部の詳細はこちら

日本を代表する歴史作家山岡荘八氏が命名した「葵カントリークラブ」

ゴルフ場名となっている「葵」は、三河岡崎出身の戦国大名徳川家康の家紋です。この「葵」という名前は、大著「徳川家康」の作者山岡荘八氏が、このゴルフクラブに送り命名されました。徳川の家紋名を付けているので、順風満帆な形で開場したと思われがちですが、名門、葵カントリークラブの成り立ちは、岡崎市内に10打席、50mの練習場を作った所から始まります。当時は、日中は仕事をする時間でありゴルフをするという考えそのものがない時代であったことから、盛田昭夫氏(ソニー創業者)の「市民にまずはゴルフを啓蒙することから始めよう」とアドバイスしたことが発端となっています。
その後、1963(昭和38年)年4月20日に開場するものの、コースは閑散としており、開場当時は毎日電話でラウンドしてくれる人を集めたそうです。しかし、そんな日々から転機が訪れます。「18ホールで36コースの攻略ラインを持つコース」として、徐々に全国的に話題となり、認知が広まり、愛知県だけに留まらず、全国からゴルファーが集まるようになり、名門ゴルフ場としての地位を確立していきます。
コースは、2グリーン、2股に分かれたフェアウェイがレイアウトされており、ティーグラウンドとグリーンの組み合わせにより、18ホールの中に独立した36ホールが存在し、戦略性を変化させる日本のゴルフ場の中でも珍しい設計となっています。また、2004年(平成16年)には、コース名を、家康コース(旧ウインターコース)と竹千代コース(旧サマーコース)に変更しており、葵の名称を最大限にいかすブランディングにも取り組んでいます。こちらのゴルフ場も、会員制ですが、ビジターもインターネットで予約することができます。
練習場を造り、ゴルフをする人を増やし、ゴルファーを育成していく所から始めたゴルフ場というのは、全国でも少ないのではないでしょうか。ゴルフ好きが一度はプレーしたい名門コースです。

葵カントリークラブの詳細はこちら

100万立方メートルの土を動かし、程よくなだらかな土地に生まれ変わった「春日井カントリークラブ」

春日井カントリークラブは、春日市の北端、春日井のチベットと言われた僻地に造られました。山並みが入り組み雑木ばかり、起伏の多い第三紀層の瓦礫層で、ゴルフ場向けの土地ではなかったと言われています。設計者の井上誠一氏は「コース造りに向いた土地ではないが、大量の土を動かすことができれば、、、」という要望を出し、18ホールで100万㎥大出量を動かし、入り組んだ山間地が、程よく広いなだらかな土地に生まれ変わりました。そして、1964年(昭和39年)10月23日に36ホール同時オープンとなっています。日本オープンや日本女子オープンも開催され、名実ともに日本を代表する名門ゴルフ場の1つとして、全国区になっています。
名物ホールは、東・西コースともに18番ホール。東コース18番は、407ヤード(バックティー)/パー4。池超えの右ドッグレッグのホール。フェアウェイ右側にある池は、大きく右スライスを打つと餌食になります。西コース18番は、417ヤード(バックティー)/パー4。こちらもティーグラウンド前に大きな池がある打ち上げホールとなります。ともに400ヤード以上の池超えでパー4となっているため、しっかりと戦略を立てて望む必要があります。
メンバー制ですが、ビジターも予約サイトで予約が可能です。ゴルファーであれば、一度は訪れてみたいと思うゴルフ場へ、ぜひ挑戦してみてください。

春日井カントリークラブはこちらの記事でも紹介しています

春日井カントリークラブの詳細はこちら

鞍ヶ池スマートインターから約2分の好アクセス名門コース「豊田カントリー倶楽部」

豊田カントリークラブは、1959年(昭和34年)頃に豊田商工会議所などを中心とした地元財界が中心となり、「豊田市にもゴルフ場を」という声がでたのがきっかけとなっています。その後、豊田市による市の東部開発計画の中で具体化し、1964年(昭和39年)11月11日開場。2014年(平成26年)には、開場50周年を迎えた名門ゴルフ場です。設計は長谷川武治氏。長谷川氏は、名古屋を中心に17コースの設計に関わっています。
名物ホールは、1番372ヤード(バックティー)/パー4と6番345ヤード(バックティー)/パー4。1番はフェアウェイは広いですが、右傾斜になっているため注意が必要で、ティーショットをグリーン左にあるバンカーを目標に打つのが攻略のポイントです。6番は、正面に見える鉄塔を狙ってのティーショット。距離はそこまでないので、方向性を重視したショットを心掛けましょう。右側がOBとなっているため、注意が必要です。
基本的にはメンバーシップ制となっていますが、予約サイトでプランがでているので、ビジターでも予約をすることができます。
梅、桜、ツツジ、紅葉など、四季折々の花が楽しめる美しいコースとしても有名なので、季節ごとにラウンドして景観も楽しんでください。

豊田カントリー倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

豊田カントリー倶楽部の詳細はこちら

全英オープンゴルフ5回の優勝を誇るピーター・トムソン氏設計「藤岡カントリークラブ」

本ゴルフ場を設計したピーター・トムソン氏は、全英オープンゴルフ5回の優勝を誇る名プレーヤーとしても有名です。1968年(昭和46年)10月24日開場。トムソン氏は、藤岡カントリークラブの設計をすることになり、自ら1週間泊まり込みで現地を視察、「日本において優れたコースとするのはもちろん、もっと大きく世界でも指折りのコースにしたい」と自身の設計したコースへの自信を伺わせたインタビューが残っています。その後、米国「ゴルフダイジェスト」誌と「ワールド・アトラス・オブ・ゴルフ」誌で、世界のベストコース50選の記事で、廣野ゴルフ倶楽部、霞ヶ関カンツリー倶楽部と並んで「藤岡カントリークラブ」が日本を代表する名門コースとして取り上げられています。
1つのグリーンに2本のピンが立つ共有グリーンもある丘陵コースとなっており、名物は4番と18番ホール。4番は、420ヤード(バックティー)/パー4。わずかに打ち上げていくコースで、L字状のグリーンは、奥行きがなんと42ヤード。ピンの位置により残りの距離が大きく変わります。また、このグリーンは、24ヤード奥から2段になっているため、一筋縄ではいきません。18番は、430ヤード(バックティー)/パー4。ティーショットの攻略はセカンドショットを考えても、フェアウェイ中央から左よりに落とすのがベストです。グリーン手前の左右に池があり、方向性を重視したショットが求められます。
会員制のため、ビジターは会員の同行が必要となっています。会員になると、3親等様までの家族料金制度、誕生日の優待(誕生月から6ヶ月有効)、年4回ビジター用の会員紹介優待券送付、営業日全日に午前と午後にメンバータイム設定、希望により会員専用ロッカー(マイロッカー)契約ありと、5つの特典が受けられます。中々、会員になるのは躊躇してしまいますが、名門ゴルフ場をいつでもプレーできようになるので、検討してみてはいかがでしょうか。

藤岡カントリークラブの詳細はこちら

愛知県三河地方初の36ホール「額田ゴルフ倶楽部」

1974年(昭和49年)6月に西コースが開場、その1年後に東コースが完成した名門「額田ゴルフ倶楽部」は、戦前からのゴルフ場造成、経営の専業大手安達建設グループの創業者、安達貞市氏の「これからのチャンピオンコースは18ホールでは不足、36ホールのダブルチャンピオンコース」という信念のもとに生まれました。ゴルフ場の用地となった土地には花崗岩が露出している岩盤地帯となっており、ゴルフ場の建設には不向きでしたが、36ホールを作れる広さや周辺に人家が一軒もないなどの魅力も多く、岩盤地帯もそこまでは広くないという検分結果により、着工を決定。関西にある爆破専門業者へ花崗岩除去を依頼し、約30トンの火薬を使いゴルフ場の土地へと生まれ変わりました。
名物の東コース6番ホールは、380ヤード(バックティー)/パー4。ティーショットは打ち上げでフェアウェイのグラスバンカー右が狙い目。2打目からは打ち下ろしの左ドッグレッグという難コース。
中部オープンや愛知県アマチュアゴルフ選手権などのトーナメントも開催されているこちらの名門コースでは、全日予約が可能となっており、予約サイトでも複数プランがでているので、自身の行きたい日程でラウンドすることができます。

額田ゴルフ倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

額田ゴルフ倶楽部の詳細はこちら

自然を破壊しない哲学を貫いた井上誠一氏設計の「南山カントリークラブ」

愛知県豊田市に「南山」という地名は古文書や地誌を探しても見当たりません。この南山カントリークラブの名称由来は、創始者である佐々部晩穂氏が旧東海銀行頭取時代の祝事の際に「寿比南山・福如東海」と書いた1枚色紙だと言われています。この書の中の「南山」がこのカントリークラブの名称に使われたと言われています。なお、「寿比南山・福如東海」は、豊臣秀吉もこの言葉を愛し、この言葉を刻んだ印が徳川美術館に収められています。
1975年(昭和50年)11月1日に開場した南山カントリークラブは、ゴルフ場設計の第一人者である井上誠一氏の設計により誕生した名門ゴルフ場です。ゴルフ場の建設は、世間の風当たりが強く、「自然を破壊する」と言われていますが、井上氏は、「ゴルフは元々自然原野を使って発展してきており、自然を壊すようなコース造りはゴルフでもなんでもない」という哲学を持っており、その哲学通りに作られたゴルフ場となっています。また、南山カントリークラブは、全てのコースにニックネームが付いており、1番ホールは1日の始まりを称して「ご来光」、2番ホールは「奥の細道」、3番ホールは「南山アルプス」とそのコースを表すニックネームとなっています。
基本会員制となっていますが、一部の予約サイトでプランがでており、予約することができます。
中部オープンゴルフ選手権や愛知県アマチュアゴルフ選手権、愛知県女子アマチュアゴルフ選手権などのトーナメントも開催された実績のある名門コースをラウンドしてみてください。

南山カントリークラブの詳細はこちら

ティーグラウンドからグリーンハザードが見渡せるフラッシュ・バンカーが特徴「京和カントリー倶楽部」

開場は、1989年(平成元年)7月1日、設計は大成建設が担当。全組キャディー付きでラウンドできる京和カントリー倶楽部は、英国で醸成されてきた紳士のスポーツとしての精神とスタイルを頑なに受け継ぐ名門ゴルフ場です。
愛知県豊田市中立町42万㎡の敷地内に広々とレイアウトされた丘陵コースは、アップダウンを最小限におさえ、コース間のインターバルも短いため、ラウンド時の疲労も少なくなるように配慮されています。コースの特徴として、各ホールのティーグラウンドからグリーン、ハザードが見渡せるフラッシュ・バンカーという手法でレイアウトされており、ティーグラウンドから見渡しながらコースマネジメントを考えることができるようになっています。パー72ですが、使用するティー(チャンピオンティー:Aグリーン7,145ヤード/Bグリーン6,966ヤード、バックティー:Aグリーン6,764ヤード/Bグリーン6,592ヤード、レギュラーティー:Aグリーン6,288ヤード/Bグリーン6,120ヤード、レディースティー:Aグリーン5,478ヤード/Bグリーン5,303ヤード)によって、距離が大きく変わるため、上級者から初心者まで楽しむことができます。
メンバーシップ制を採用していますが、予約サイトからビジターも予約することができます。全組キャディー付きでのプランなので、コース攻略はキャディーさんの力を存分に頼ってラウンドしましょう!

京和カントリー倶楽部はこちらの記事でも紹介しています

京和カントリー倶楽部の詳細はこちら

帝王ジャック・ニクラウスのアメリカンスタイルが受け継がれる「セントクリークゴルフクラブ」

帝王ジャック・ニクラウスが設計した名門ゴルフ場のセントクリークゴルフクラブは、1989年(平成元年)10月20日に開場しました。EAST、WEST、SOUTHの各9ホール全27ホールのコースは、ジャック・ニクラウス曰く「攻略していくためには、14本全てのクラブを使い切ること、1打1打で考えきったショットを打つことが求められる」と語っています。世界でも数々のゴルフコース設計に関わっているジャック・ニクラウスは、米国のミュアフィールドビレッジ、ショールクリーク、キャッスルパインズなどと並ぶ優れたコースになると設計当時語っています。
会員制のため、基本ビジターのラウンド予約は受け付けていません。
名物は、西コース7番205ヤード(バックティー)/パー3。4つ連なる池の景観が美しい距離のあるショートホールとなっており、どのクラブを選択するかが攻略のポイントです。
過去には、リゾートトラストレディス、愛知県アマチュアゴルフ選手権などのトーナメントでも使用されており、比較的近年に開場したゴルフ場の中で名門と呼ばれるゴルフ場の1つです。特にバックティーでのコースレートは高く73.8となっており高難易度です。攻略していくには、ショットの正確性も求められますが、起伏のあるグリーン攻略が一番の難関です。来場したプレイヤーの評価も高く、ぜひ一度はラウンドしたいゴルフ場の1つです。

セントクリークゴルフクラブの詳細はこちら

マンシングウェアレディースの開催地「新南愛知カントリークラブ 美浜コース」

三河湾国定公園を背に造られた新南愛知カントリークラブは、南知多道路/美浜インターチェンジより約8kmの位置にある名門コースです。1992年(平成4年)10月5日に開場、設計は佐藤忠志氏、監修は日本女子ゴルフ界のレジェンド岡本綾子プロが携わっています。
自然林がグリーン奥を覆っているホールが多いため、グリーンが小さく見え、距離感がつかみにくいのが特徴です。岡本綾子プロが携わるコースは、知的でテクニカルなコースが多くみられますが、この新南愛知カントリークラブ美浜コースもその内の1つです。
2007年からマンシングウェアレディースの開場となっており、過去には、不動裕理プロ、横峯さくらプロ、全 美貞プロ、申ジエプロ、川岸史果プロなど、日本女子ゴルフ界のトッププロが優勝を飾っています。
メンバーシップ制となっており、ビジターは会員の同伴が必要です。
名物ホールは、18番、386ヤード/パー4。ティーインググラウンドからフェアウェイ中央260ヤード付近にバンカーが3つ並んでいるため、バンカー手前にティーショットするのがベストポジションです。グリーン左側はOB、グリーン右にはバンカーと正確なショットだけではなく、思い切りの良さも必要なホールとなっています。

新南愛知カントリークラブ 美浜コースはこちらの記事でも紹介しています

新南愛知カントリークラブ 美浜コースの詳細はこちら

中京・ブリジストンレディスの開催地「中京ゴルフ倶楽部 石野コース」

1993年(平成5年)10月7日に開場した名門、中京ゴルフ倶楽部石野コースは、あらゆるプレイヤーがそれぞれの技量に応じてゴルフの楽しさを満喫できることを目標に造られました。設計は山田為志氏、監修にはピート・ダイ氏が関わっています。四季折々の変化を感じられる丘陵地帯に自然の地形をいかした形でドッグレッグホールや池、アンジュレーションなどがうまく配置されたコースは、ラウンドするたびに新しい発見をすることができます。近年では、毎年中京・ブリジストンレディスが開催されており、宮里藍プロ、不動裕理プロ、イ・ジヒプロ、横峯さくらプロ、鈴木めぐみプロ、上田桃子プロ、ペ・ヒギョンプロなど、トッププロが優勝を飾っています。その他、トヨタジュニアワールドカップや愛知県女性アマチュアゴルフ選手権など、数々の大会が開催されている名門コースです。
会員制を採用していることもあり、ビジターでラウンドするのは同伴が必要と、ラウンドするハードルが高めとなっていますが、建坪約3,000坪の屋根には天然玄昌石を使い内外壁には煉瓦を33万丁使っているクラブハウスは、豪華絢爛の一言。訪れた全ての人が特別な時間を過ごすことができます。
名物は、18番ホール559ヤード(バックティー)/パー5。クリークがフェアウェイを大きく流れるため、各々の実力に応じたクラブ選択とティーショットの落とし位置でセカンドショットの戦略を考える必要があります。グリーン手前左側が池になっていることで、アプローチの正確性も求められます。
数々のドラマが繰り広げられた中京ゴルフ倶楽部石野コースは、愛知県豊田市芳友町にあり、猿投グリーンロードの力石インターチェンジから約4kmとアクセスも良好の場所にありますので、ぜひ訪れてみてください。

中京ゴルフ倶楽部 石野コースはこちらの記事でも紹介しています

中京ゴルフ倶楽部 石野コースの詳細はこちら

バックティー・レギュラーティー・フロントティーのコースレートが70以上の「ザ・トラディションゴルフクラブ」

愛知県岡崎市東部にあるザ・トラディションゴルフクラブは、2002年(平成14年)10月1日に開場しました。設計者はジャック・ニクラウス氏。世界各地で関わったゴルフ場が多い帝王ジャック・ニクラウス氏が自ら傑作と語る本格トーナメントコースとなっています。2003年(平成15年)には、リゾートトラストレディスが開催され不動裕理プロが優勝を飾っています。コースレートは、バックティー、レギュラー、フロントティーが70超えという難易度となっており、ラウンド後に悔しさを滲ませるゴルファーが多いことでも有名な名門コースです。
名物ホールは、5番と18番。5番194ヤード(バックティー)/パー3は、グリーンが白砂のバンカーに囲まれており、ピン位置とボールの落とす位置によっては、3パットは覚悟が必要なホールです。また、18番ホール570ヤード(バックティー)/パー5は、ティーショットの距離次第で、2オンを狙うか、浮島を狙うかが決まります。浮島は全方位池に囲まれているため、距離に自信がない場合は、安全に刻んでいくことをオススメします。
会員制のため、ビジターは同伴がないとラウンドできません。申込時にキャディー付きかセルフかを伝えることで自身にあったラウンドプランが選択できるようになっています。
もし、ラウンドできる機会があれば、ジャック・ニクラウスの設計した名門コースを堪能してください。

ザ・トラディションゴルフクラブの詳細はこちら

まとめ

愛知県にある名門ゴルフ場を紹介いたしました。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を輩出した愛知県は、名門と言われるゴルフ場が多数あります。そのどれもが、それぞれ個性豊かなコースとなっており、設計者が様々な思考を凝らして造られたコースばかりです。会員制のコースは、会員権を持っていない人からするとラウンドできる機会が少ないのは残念ではありますが、1ゴルファーとしてラウンドできる日を楽しみに日々練習して、いつか難コース、名門コースに挑めるように準備しておきたいですね。

合わせて読みたい・愛知県近郊の名門ゴルフ場

Thumbnail ca23b624 82c3 424a a9bb 5a7394de3330

この記事をお届けした
ゴルフハック[GolfHack] の最新情報を
してチェックしよう!